橋幸夫さん 「潮来笠」「いつでも夢を」などのヒット曲で知られる歌手の橋幸夫(はし・ゆきお、本名幸男=ゆきお)さんが4日午後11時48分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。82歳だった。東京都出身。葬儀は10日正午から東京都文京区小石川3の14の6の伝通院で。喪主は妻真由美(まゆみ)さん。
母の勧めで中学2年から作曲家の遠藤実さんの歌謡教室で学んだ。作曲家の吉田正さんにも師事。1960年、高校生だった17歳でデビューし、着流し姿で歌う演歌「潮来笠」が大ヒット。日本レコード大賞新人賞の最初の受賞者となった。
幅広い曲調を歌いこなし、吉永小百合さんとのデュエット曲「いつでも夢を」(62年)と、ムード歌謡「霧氷」(66年)で日本レコード大賞を2度受賞。舟木一夫さん、故西郷輝彦さんと共に若手スターの「御三家」として絶大な人気を集め、NHK紅白歌合戦に60年から17年連続、通算で19回出場した。
他のヒット曲にリズム歌謡「恋のメキシカン・ロック」(67年)や、人気劇画のイメージソング「子連れ狼(おおかみ)」(71年)など。俳優としても多くの映画やドラマに出演した。著書に母の介護生活をつづった「お母さんは宇宙人」などがある。
2023年5月、声の衰えなどを理由に引退したが、翌年4月に撤回し、ステージに立ち続けた。今年5月、アルツハイマー型認知症であることを公表。その後、体調を崩して入院し、闘病を続けていた。

歌手の橋幸夫さん(1965年撮影)