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福島県郡山市のJR郡山駅前で大阪府の10代の予備校生が酒気帯び運転の車にはねられ死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた郡山市昭和の元会社員、池田怜平被告(35)に対する裁判員裁判の第3回公判が10日、福島地裁郡山支部(下山洋司裁判長)であった。事故当時に赤だった現場の信号について、検察側は「故意に無視した」と懲役16年を求刑。弁護側は「見落としであり、無視ではない。危険運転の罪は成立しない」と反論して結審した。判決は17日の予定。
検察側は論告で、「減速せず三つの赤信号の交差点を立て続けに通過した」と指摘。現場の信号は事故の13秒前から赤だったとして「赤信号を故意に無視したことは疑いない。被告の供述は信用できない」と述べた。
一方、池田被告は9日の被告人質問で「眠気で視界がぼやけたので目をこすったり、車内エアコンの強弱操作に気を取られていたりして、信号を確認できていなかった」と弁明していた。
弁護側は10日、「飲酒の影響で、注意力が極めて散漫だった。赤信号を無視したのではない」と反論した。
この日は、死亡した予備校生の遺族らが「被害者参加制度」を利用して、心情などについて意見陳述した。母親は「この事故が社会で軽く見られれば、新たに命が奪われる。社会全体に警鐘を鳴らす判決を下してほしい」と述べた。【根本太一】
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