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千葉市若葉区で高齢女性が殺害された事件で、千葉家裁は、殺人の非行内容で家裁送致された中学3年の少年(15)の更生の可能性を重視して少年院送致を決定した。中学生が人を死亡させた過去の事件では、家裁が刑事処分を優先するケースもあり、判断は分かれている。専門家は「千葉家裁は少年の矯正の可能性を重視した」と評価した。
少年事件で、14歳以上の少年はまず家裁に送致される。家裁が成育歴や非行に至った経緯を調べ、少年院送致などの保護処分、刑事処分が相当と判断する検察官送致(逆送)などを検討。もし逆送後に検察官が起訴し、裁判で有罪となれば刑罰が科される。
殺人など故意に人を死亡させた少年が、少年法により原則逆送となるのは16歳以上だ。一方、14〜15歳の逆送は少なく、最高裁によると2001〜24年に殺人の非行内容で逆送されたのは4人にとどまる。
元少年院長の服部達也・京都産業大教授(少年法)によると、少年事件では一般的に刑事罰より保護処分が優先される一方、重大事件で保護処分だと社会の納得を得られないと判断するケースがあるという。
服部教授は少年の更生に有効なのは「保護処分」と強調。今回の千葉家裁決定は「少年の家庭環境を重視したと考えられる」と指摘しつつ、「少年の矯正の可能性を重視したことは、少年法の理念に沿った決定だ」と評価した。
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【林帆南、高橋晃一】
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