石破茂首相=23日、首相公邸 【ニューヨーク時事】石破茂首相は23日夜(日本時間24日午前)、米ニューヨークで開催中の国連総会で一般討論演説を行い、戦後80年の日本の歩みについて「世界の恒久平和実現のため力を尽くしてきた」と訴えた。中東情勢も取り上げ、イスラエルがパレスチナとの「2国家解決」の道を閉ざせば「新たな対応」を取ると警告し、自制を迫った。
首相は先の大戦を検証した見解の公表に意欲を示している。演説ではこれも念頭に歴史に向き合う必要性を強調。戦後、アジア諸国の「寛容の精神」に支えられてきたとして謝意を示しつつ、「世界から求められる国」であり続けたいと表明した。
イスラエルのガザ市侵攻を「この上なく強い言葉」で非難。今回の国連総会のタイミングでは見送ったパレスチナの国家承認について「するか否かではなく、いつするかの問題だ」と踏み込み、イスラエルが強硬姿勢を続ければ早期に承認を行う可能性を示唆した。
創設80年を迎えた国連の改革も提起した。安全保障理事会の機能不全を指摘し、「その最たる例がロシアによるウクライナ侵略だ」と言明。拒否権の乱用を疑問視し、常任・非常任理事国の枠組み拡大を呼び掛けた。