自民党総裁選の演説会に登壇した3候補。(左から)小林鷹之氏、茂木敏充氏、高市早苗氏=2日、大阪市北区 自民党の小泉進次郎農林水産相と林芳正官房長官は2日に大阪市で開かれた党総裁選の演説会を欠席した。会場では事前収録された2人の動画が流れた。現職閣僚として公務を優先したためだが、現地で演説した他候補の陣営からは不満が漏れた。
小泉氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の農林相会合に出席するためフィリピン・マニラに滞在。オンラインで記者団に「石破茂首相からも公務最優先との指示があった」と強調した。
林氏は首相が岡山市を訪問したため、政府の危機管理を重視する観点から東京にとどまった。首相官邸で定例記者会見を実施。国会内で総決起集会に出席した後、世田谷区で視察をこなした。
ただ、高市早苗前経済安全保障担当相の陣営事務局長の黄川田仁志衆院議員は2日、国際会議の日程は早くに固まっていたはずだと記者団に指摘。「公平公正にやるなら、全員が参加できるスケジュールを組むべきだった」と苦言を呈した。
総裁選の党員票の締め切りは3日で、大半が投票を済ませているとみられる。小林鷹之元経済安保相の陣営からも「本当は都内で活動したかった」との恨み節が聞こえた。

記者会見する林芳正官房長官=2日、首相官邸