「差別助長しかねない」と懸念=高市新総裁に外国人支援団体
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2025年10月05日 07:31 時事通信社

外国人政策が主要な論点の一つとなった自民党の総裁選で、外国人の不正行為を強調するような発言で物議を醸した高市早苗前経済安全保障担当相が新総裁に選ばれた。NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(東京都)共同代表理事の鈴木江理子さんは「差別を助長しかねない」と懸念を示した上で、「事実を確認して、間違いであれば訂正が必要だ」と訴えた。
高市氏は総裁選期間中に「外国人が奈良公園のシカを蹴り上げている」「通訳の手配が間に合わず、(外国人は)逮捕しても不起訴になる」などと発言していた。
総裁選ではいずれの候補者も外国人の規制を主張し、いかに共生していくかの議論が抜け落ちていたと鈴木さんは指摘する。「日本社会を持続的に発展させるためには、規制よりも環境整備が必要だ」と語った。
鈴木さんは、参政権を持たない外国人は社会不安のスケープゴートとして利用されていると分析。「今後、多くの外国人と共生していくことが求められている日本社会にとって、マイナスの影響でしかない」と断じ、方針転換を求めた。
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