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今オフにポスティングシステムで米メジャーに挑戦するヤクルト村上宗隆内野手(25)の契約総額が、日本人野手史上最高額を大きく更新する最大2億ドル(約290億円)規模に及ぶ見通しであることが6日、分かった。
米球界関係者によると、有力候補にはメッツ、ヤンキース、フィリーズ、マリナーズの名前が挙がる。他にも複数球団が興味を示しており、争奪戦は必至。“令和の3冠王”が鳴り物入りで海を渡る。
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「村神様」が特大の期待を背負って、メジャーに挑戦する。米球界関係者によると、すでにメジャーの複数球団が強い興味を示しており、争奪戦は必至の状況。メッツ、ヤンキース、フィリーズ、マリナーズなどが獲得に乗り出すとみられており、契約規模にも注目が集まりそうだ。
折り紙付きの実力と、まだ25歳という若さが高く評価されている。22年には日本人シーズン最多本塁打を更新する56本塁打を放ち、史上最年少の22歳の若さで3冠王を獲得。今季は負傷の影響で大きく出遅れたが56試合の出場で打率2割7分3厘、22本塁打と疑いようのないポテンシャルを示した。契約は日本人野手史上最高額で22年オフにレッドソックスへ移籍した吉田正尚の5年総額9000万ドル(当時約126億円)を大きく更新する、最大10年総額2億ドル(約290億円)規模に及ぶ可能性もあるという。
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「三塁手の主砲候補」の需要が高まる市場も、プラスに働きそうだ。スティーブ・コーエンオーナーの豊富な資金力を誇るメッツは、元本塁打王の主砲ピート・アロンソがオプトアウトの権利を行使し、退団が確実。昨オフ、プロスポーツ史上最高額となる15年総額7億6500万ドルで加入したフアン・ソトと並ぶ主軸の補強は急務となる。
同じニューヨークの伝統球団ヤンキースは、絶対的な三塁手の不在が続く。7月にトレードでライアン・マクマーンを補強したものの、主軸といえる活躍はできていない。フィリーズも主砲のカイル・シュワバーがFAで退団する可能性があり、マリナーズも正三塁手のスアレスがFAで流出危機。各球団とも、中心的存在の主砲を相次いで失うことになり、それに伴って移籍市場における村上人気が高まっているようだ。
最大2億ドル規模での契約となれば、ヤクルトへの譲渡金は約3200万ドル(約46億円)にのぼる。村上は米有数の代理人事務所「エクセル・スポーツ・マネジメント社」と契約しており、かつて田中将大や秋山翔吾のメジャー移籍をサポートしたケーシー・クロース氏とともに、最善の道を模索することになる。8年間過ごした古巣へ、大金を置き土産に、米球界の扉を開く。
◆日本人大リーガーの契約年数 渡米1年目の野手では鈴木(カブス)と吉田(レッドソックス)の5年が最も長く、1年目以外でもイチローがマリナーズと08〜12年まで結んだ5年が最長。投手は契約年数が長く、山本が12年総額3億2500万ドルでドジャースと契約したのが最長。渡米1年目では他に前田(ドジャース)の8年、田中(ヤンキース)の7年がある。
◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。申請期間は11月1日〜12月5日。MLB事務局が契約可能選手を全30球団に通知後、獲得希望球団と30日間交渉できる。当初は最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、18年オフからは選手が結んだ契約の総額に応じて譲渡金の額が決まる変動制に改定された。昨年はこの制度を使って佐々木(ロッテ)がドジャース、青柳(阪神)がフィリーズ、小笠原(中日)がナショナルズへ移籍した。
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