
大手家具チェーン「IKEA」のレストランで販売されているホットドッグ「100円」。このお値段の裏に隠れている「ついつい買っちゃう心理学」のお話です。
【画像で見る】購買意欲をそそる?IKEAの展示や動線に隠された仕掛け
“長居したいレストラン”が購買行動を呼ぶ!出水麻衣キャスター:
100円のホットドッグなどが売られているIKEAのレストランは、スウェーデンの美味しい料理などが楽しめるだけでなく、広々としていて、雰囲気も気持ちいい場所ですよね。
このIKEAのレストランについて、人間の行動心理に詳しい明星大学心理学部の藤井靖教授は、「家族会議の場所」でもあると言います。
レストランで家族会議をして、店での滞在時間が長くなると、チラシを見たり、他の客が何を買っているかを目にしたりする機会が増えます。
藤井教授によると、これによって「あの人も買っているのなら、うちも買おうかな」と納得する時間が増え、ついついお財布の紐が緩んでしまうということです。
逆に一度家に帰ると「あの商品は本当に必要なのか」判断してしまうため、客の店での滞在時間を長くすることが重要だといいます。
実際に、ある調査では滞在時間が1%アップすると、売り上げが1.3%アップするという結果も出ているそうです。
出水キャスター:
駅ビルでの消費行動を調査し、滞在時間と購買意欲の関係を調べた研究もあります。
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【滞在時間の長さと購買意欲の関係】
▼購買意欲があり、滞在時間が長い人
平均購入金額:8818円
▼購買意欲がなく、滞在時間が長い人
平均購入金額:5296円
▼購買意欲があり、滞在時間が短い人
平均購入金額:3104円
▼購買意欲がなく、滞在時間が短い人
平均購入金額:2094円
jeki・駅消費研究センター実施
※駅ビル利用の20~30代女性に対する調査・2017年実施
※購入金額は購入者ベース
出水キャスター:
この調査では、▼「購買意欲があるが滞在時間が短い人」よりも、▼「購買意欲はないが滞在時間が長い人」の方が、購入金額が多いという結果になりました。このことからも、購買行動には、滞在時間が深く関わっていることが伺えます。
出水キャスター:
また藤井教授は「ランチョンテクニック」もあるといいます。これは、美味しい食事を食べて幸福感・満足感を得ると「ポジティブな感情」になり、そのときに見ている人や物に好印象を抱くというものです。
さらにIKEAには展示方法にも仕掛けがあり、同じ商品を何度も見る機会があるように設計されているそうです。これにより親近感がアップして、「ついつい買ってしまう」現象が起きるといいます。
古坂大魔王さん:
音楽も一緒ですよね。5〜6回聞くと「売れているんだな」となって、10回ぐらい聞くと欲しくなる。昔はよく「有線で20回流れると売れる」というような話もありました。
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出水キャスター:
このほかにも、IKEAは店内が迷路のような動線になっています。時間をかけて、広い中を歩いた分だけ「何か回収したい」という心理が働き、ついつい買ってしまうということもあるそうです。
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<プロフィール>
古坂大魔王さん
お笑い芸人・プロデューサー
2児の父親として育児の様子を発信
SDGsを推進する活動も積極的に行う