
全国各地で相次ぐ「クマ」による被害。課題となっているのは、クマの捕獲を担う「ハンター」のなり手不足です。こうした状況を打開するため、東京都がハンターの育成強化に乗り出しました。
全国各地に出没するクマ。人間の生活圏でクマと出くわすことがめずらしくなくなりつつあります。こうした事態は東京都でも。
今年7月の東京・日の出町。民家の隣に突然、クマが現れました。
クマを目撃 越沼規充さん
「(日の出町に)クマはいなかったんで。生態が変わったのか、クマの性質が変わったのか」
都内では今年に入り、クマの目撃情報などが129件寄せられていますが、この3か月では住宅地の近くで目撃されることも増えてきました。
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都民
「人が住んでるところに近いので、びっくりします」
こうした事態に対応するため、国は法律を改正。クマが市街地に現れたときに一定の条件を満たせば、市町村の判断で猟銃が使用できるようになりましたが…。
こちらは全国の狩猟免許所持者の数を表したグラフ。1975年度にはおよそ51.8万人だったのが、高齢化などの影響で2020年度には21.8万人ほどに減少しているのです。ハンターの育成が急務となるなか、きのう開催されたのが…
「ひとりでも多く銃を所持して、若い力をぜひ協力していただいて」
東京都が主催する「初心者狩猟講習会」です。集まったのは、大学生を含む20代から50代までの男女19人。猟友会のハンターの動きを見学し、狩猟のノウハウを学びます。複数のグループに分かれて山に入ると…
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「あ、来た、来た」
銃を構え、警戒するハンター。現場に緊張感が走るなか、次の瞬間。
猟友会のガイド
「シカ、シカ、シカ!こっち、こっち、こっち」
猟犬に追いかけられたシカが近くに出没しましたが、カメラも間に合わないほどの速さで駆け抜けていきました。
「すごく大きかった」
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今回は、猟友会のハンターが3頭のシカを捕獲しました。
参加者
「間近で体験できたのは、すごく大きかった。(狩猟免許試験に)さっそく申し込んでいきたい」
「(ハンターの高齢化がすすむ中で)何かできることがないかなって。思ったよりもちょっと難しかった」
東京都は、クマの被害を減らすためにハンターの数を増やすとともに、人とクマがであわない環境をつくることが重要だと考えています。
東京都環境局 上中章雄 課長
「いかに(クマに)であわないような環境をつくるか、であった場合にどう防除対策を行うか。捕獲技術者がすぐに駆けつけられるような体制を今後、どう構築していくかが課題」
「クマとの共存」に向けて、自治体の模索は続きます。