東京大空襲の犠牲者の遺族と懇談される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=23日午後、東京都墨田区の東京都慰霊堂(代表撮影) 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは23日、東京都慰霊堂(墨田区)を初めて訪れ、戦後80年に当たり東京大空襲の犠牲者を追悼された。
慰霊堂には、大空襲などの戦災犠牲者の遺骨約10万5000柱が納められている。ご一家は小池百合子都知事の先導で霊殿の前に進み、白い花束を供えて深々と拝礼した。
続いて、出席した大空襲の遺族4人と懇談した。祖父母ら家族や親族8人を亡くした大日向弘行さん(84)=墨田区=に、天皇陛下は「残念でございましたね」と声を掛け、寄り添った。大日向さんが「平和でずっといられるように」と伝えると、ご一家はうなずきながら聞いていたという。
田中洋子さん(82)=同区=は、大空襲で人々の誘導に当たっていた夫の父親を失ったことや、近くの川に避難した多くの人々が亡くなっていったことなどを伝えた。愛子さまは「川があったんですか」と尋ね、皇后さまと共に「大変でしたね。ご苦労なさったんですね」と話したという。
両陛下は戦後80年の今年、硫黄島(東京都小笠原村)と沖縄、広島、長崎各県を訪れ、戦没者や被爆者を慰霊。沖縄と長崎には愛子さまを伴って訪れた。

東京都慰霊堂を訪れ、霊殿に供花される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=23日午後、東京都墨田区(代表撮影)

東京都慰霊堂を訪れ、霊殿に供花し拝礼される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=23日午後、東京都墨田区(代表撮影)