俳優・大沢たかおの超精密肖像画が日展に出品! 圧巻約2mの超大作

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2025年10月29日 12:05  ねとらぼ

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中島健太「忘れえぬひと」(画像:ねとらぼ)

 俳優・大沢たかおさんの肖像を“完売画家”として知られる中島健太さん(関連記事)が描いた最新作「忘れえぬひと」が中島健太さんのInstagramで公開されました。ありのままを忠実に描くことを基本とする「写実絵画」の分野で国内外から高い評価を受ける中島さんが、自身初の男性像として挑んだのは120号(縦約2メートル、横約1.5mメートル)という超大作。“俳優・大沢たかおさんの生き方”への深い共鳴を経て完成したという本作について、ねとらぼ編集部が取材しました。


【画像で見る】大沢たかおの肖像画(全体図)


完売画家”中島健太とは──

 中島さんは武蔵野美術大学在学中からプロ活動を開始した写実画家で、2009年と2014年には日本最大の総合美術展覧会「日展(日本美術展覧会)」で20代ながら特選を受賞。これまでの制作作品は700点以上で、その全てが完売することから“完売画家”の異名を持ちます。


 今回の作品のモデルとなったのは日本を代表する俳優・大沢たかおさん。専修大学在学中にモデルデビューを果たし、ドラマ「若者のすべて」「星の金貨」「JIN-仁-」、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」など数々の話題作に出演しています。


 2016年からは約2年の休業状態となりましたが、2019年公開の映画「キングダム」の王騎役のオファーを引き受けて大きな話題に。2024年からはかわぐちかいじさんの代表漫画である「沈黙の艦隊」の実写化シリーズで主演を務めるほかプロデューサーも兼任し、2025年9月26日には最新作「沈黙の艦隊 北極海大海戦」が公開されました。


40代、足りないものを探してたどり着いた大沢たかおの生き様

 中島さんは大沢さんとの初対面について「突然野生の動物に遭遇した時の感動。それが一番近い感覚かもしれない。分厚く、大きく、美しい。その体を通して発する声はまるで楽器のように透き通っていた」と語り、一瞬で空気が変わるような“圧”を感じたと振り返ります。


 また印象的だったことについては、大沢さんと初めて目があった瞬間を挙げた中島さん。


 「『君は今を生きているかい?』と 優しく目尻に皺を寄せつつ、澄んだ目の奥からそう聞かれているような気がした」と話し、そんな強烈な体験が本作のインスピレーションとなって約1カ月大沢たかおさんのことだけを考えて描き続けたと明かしました。


 そんな中島さんですが、40代に入り「仕事もプライベートも恵まれているのに、何かが足りない」、そんな感覚を覚えていたといいます。


「知人に“ミドルエイジクライシス(中年期特有の心理的危機)では?”と言われたんです」


 そんなとき中島さんが目にしたのが、俳優・大沢たかおさんのインタビュー記事でした。そこには40代後半で約2年、大沢さんが俳優活動を休止していたことが語られていました。


 休業の理由は「頑張っても頑張ってもドキドキしなくなった」から。


 記事を読んだ中島さんは「あの大沢たかおでも、こんなことを思うのか……」と衝撃を受け、それと同時に「その感覚と正面から向き合い、2年もの間表舞台から遠ざかれる生き様にも同時に感銘を受けた」といいます。


「君は今を生きているかい?」──大沢たかおからの問いかけ

 俳優は、次の仕事が決まらなければ職を失うという“究極のフリーランス業”。だからこそ、多くの俳優は大手プロダクションに所属して活動しますが、大沢さんは、デビュー以来個人事務所での活動を中心としています。


 メディア出演などの機会も多い中島さんは「(芸能界を)単騎で駆け回る無謀さは少しは理解している」とし、「常に明日がどうなるかわからない中で日々一日を全力で生きることを求められるのが自然の掟。大沢さんはそれを受け入れているのだと思う」と語ります。


復帰作『キングダム』での“命”

 また、漫画『キングダム』シリーズの実写化映画で大沢さんがストーリーの鍵を握るキャラクター「王騎」を演じたことについて、中島さんは「最も実写化不可能と言われた王騎将軍の登場は非常に話題になったが、映画を見返してみると第1作では王騎将軍がほとんど登場しておらず本当に驚いた。わずかな登場時間のために20キロ以上筋肉を増量し異形の体を作り上げるということ、費用対効果が全く合っていないように思える努力について大沢さんに尋ねた」といいます。


 すると大沢さんはあっけらかんと「役に命かけるのは当たり前だから」と答え、このとき中島さんは“命をかける”という言葉の本当の意味と、「だから“大沢たかお”は“大沢たかお”でいられるのだ」と理解したといいます。


40代に入っての日展出品作、自身初の男性像への挑戦

 中島さんが40代を迎えて初めての日展出品作となる本作は、自身初の男性像。


 中島さんは「そのチャレンジに大沢さんが力を貸してくれたことは感謝してもしきれない」と語りつつ、「命をかけて描く。そのつもりで挑んだけど、普段命をかけ慣れていない僕では、まだまだ言葉通りの重みを持たせられたかはわからない」と振り返ります。


 「僕が対面した時の感動を、観てくださる人達にも感じて欲しい」との思いから選ばれた中島さんの画業史上最大サイズとなる120号キャンバスは、縦約2メートル、横約1.5メートルと大沢さんの等身大に近いサイズ。右下には中島さんが「力強くて、かっこいい」と語る大沢さん本人によるサインも施されています。


 「仕事を引き受ける時の基準」を尋ねた際に大沢さんが答えた「ワクワクするかどうか」という言葉を胸に「この作品を描いている時は、ずっとワクワクそわそわしていた」と語る中島さん。「忘れえぬひと」は、10月31日から11月23日まで国立新美術館で開催の「第118回日展」に出品されます。


(Kikka/画像提供:中島健太)




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