
安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が19日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、証人出廷した被告の妹は母親から金の無心をされ、「惨めだった。私の母じゃないと思った」と証言した。
母親は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信し、総額約1億円を献金。うち5000万円は分割で返金されていた。母親は教団本部がある韓国への渡航を繰り返していた。
妹は弁護人から「母から金の無心があったか」と問われると、「多々ありました」と答え、さらに続けた。「家賃の2〜3カ月分を払ってほしいと必死の形相で言われた。私の腕にしがみつく母を引きずって歩いたこともある」
「とても恥ずかしく惨めでつらかった」と振り返った妹。「母のふりをした統一教会の信者だと思った。でも母親だから突き放せなかった」と揺れた心情を明らかにした。
妹は18日にも証人として出廷していた。旧統一教会に入信した頃の母親について「家の中に写真を飾り、祭壇のようなものを作った。朝晩、お祈りをしていた」と証言。教団のイベントに連れて行かれたこともあるとし、「母は私に無関心だった。児童養護施設に入ればよかった」などと述べていた。【田辺泰裕】
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