最高裁判所=東京都千代田区 同性婚を認めない現行法の規定が憲法に違反するかが争われた一連の訴訟で、6件の高裁判決が出そろった。地裁段階で違憲判断は2件にとどまったが、控訴審では28日の東京高裁を除く5件が違憲とした。同性カップルの関係を公的に証明する「パートナーシップ制度」の国内での広がりなど、原告側が主張した社会状況の変化が反映されたとみられ、最高裁の判断が注目される。
地裁段階では東京の2件と福岡が、海外での同性婚制度の増加など国内外の変化に触れつつ、現時点では「異性婚と同じ社会的承認があるとは認め難い」と指摘。個人の尊厳に立脚した婚姻制度を求める憲法24条2項に違反する状態(違憲状態)と述べるにとどめた。大阪は合憲とした。
一方、札幌と名古屋は、法の下の平等を定めた14条1項に反するとして違憲とした。このうち名古屋は24条2項違反も認めた。
これに対し、控訴審ではさらに踏み込んだ判決が増えた。札幌高裁は、14条1項に加え、婚姻の自由を定めた24条1項について「同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障している」と初めて認め、現行規定は24条全体に照らして合理性を欠くとした。
続く東京、福岡、名古屋、大阪各高裁は、いずれも14条1項と24条2項に違反するとして違憲判決を言い渡した。パートナーシップ制度を導入した自治体の人口が昨年、全体の85%に達したことなどから、同性婚について「国民の意識の変化が進んだ」(東京)、「法制化の環境が整った」(大阪)と言及。福岡高裁は「法制度として認めない理由はもはや存在しない」と言い切った。
今回の東京高裁判決も、現在は同性カップルも「一つの家族の姿として社会的承認を受けている」と指摘。ただ、こうした事情は国会が具体的な制度を構築する際に踏まえるべき変化だとして、立法裁量に委ねた。