首相官邸に入る高市早苗首相=9日、東京・永田町 高市早苗首相(自民党総裁)が23日召集予定の通常国会冒頭で衆院を解散するとの見方が党内で浮上した。複数の関係者が10日、明らかにした。衆院選に勝利し政策の推進力を高める狙いがあるが、与党内では積極論と消極論が交錯する。首相が慎重に見極めて最終判断する見通しだ。
衆院選は「1月27日公示、2月8日投開票」か「2月3日公示、同15日投開票」とする案が出ている。衆院選が実施されれば石破政権発足直後の2024年10月以来となる。
与党は昨年の臨時国会で、無所属議員の自民会派入りにより定数465の衆院で233議席を確保し、ぎりぎり過半数を回復した。参院では少数にとどまり「ねじれ国会」の状態で、政権運営には不安定さが残る。
政府・自民内には、高い内閣支持率を追い風に早期に衆院選を戦うのが得策との意見がある。議席を伸ばせば求心力を高められるとの算段だ。26年度予算案の審議で野党の追及にさらされれば支持率低下を招きかねないことも解散論を後押しする。
一方、衆院選に勝利しても参院の少数状態は変わらない。与党内では、解散すれば予算案の成立が遅れ、政策最優先を掲げてきた首相の説明との整合性が問われるとの慎重論もある。党幹部は「最後は首相が決める」と指摘。自民関係者は、数日で結論が出るとの見方を示した。
日本維新の会の藤田文武共同代表は10日、金沢市で記者団に、首相からの連絡はないと説明。「解散は首相の専権事項だ。いつでも戦える準備はしておく」と述べた。立憲民主党の野田佳彦代表は千葉市で記者団に「政治空白をつくって信を問うやり方がいいのか厳しく問われる」とけん制した。
首相が衆院を解散する検討に入ったとの読売新聞の報道を受け、内閣記者会は10日、首相に取材を要請したが、官邸側は拒否した。