【フィギュア】大波乱8位マリニン「五輪金メダル候補の扱いは大きな負担だった」フリー15位

1

2026年02月14日 08:23  日刊スポーツ

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

フィギュアスケート男子フリー 演技を終え肩を落とすマリニン(ロイター)

<ミラノ・コルティナオリンピック(五輪):フィギュアスケート>◇男子フリー◇13日◇ミラノ・アイススケートアリーナ


【ミラノ=松本航】世界選手権2連覇中のイリア・マリニン(21=米国)が五輪の魔物にのみ込まれた。


ショートプログラム(SP)首位で臨んだフリー。冒頭で4回転フリップを成功させたが、自身が世界唯一の4回転半を跳べるアクセルが1回転半に抜けた。続く4回転ルッツ成功で立て直したかに思われたが、4回転ループが2回転に抜けると場内がざわめいた。演技後半もジャンプ転倒が続き、フリーはまさかの15位。156・33点と自己ベストに81・91点も届かず、合計264・49点で8位にとどまった。大失速を「本当に予想外。もう終わったことだから、やり直したい気持ちはあるけど、戻って変えることはできない」と悔やんだ。


初の五輪となった今大会は団体でSP、フリーを滑り、米国の金メダルに貢献。個人もSP首位発進を決めていた。直前でSP2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)が精彩を欠き、金メダルは確実とみられたシチュエーション。それでも王者は「スタート地点に入る直前に、ただただネガティブな考えが頭の中に押し寄せてきた。これまで経験してきたトラウマ的な出来事が、全てよみがえった。オリンピック金メダリスト候補として扱われることは、特に私の年齢で本当に大きな負担でした」と重圧を感じていた。


シーズン前半戦の大舞台となる25年12月のグランプリ(GP)ファイナルでは、332・29点で優勝。2位の鍵山に29・88点差をつけるなど、22年北京五輪以降の男子を現役引退した宇野昌磨さんとともにけん引してきた。数々のタイトルを手にしても、届かなかった五輪での個人金メダル。取材エリアでは気丈に振る舞い「オリンピックは他の大会とは全く違う雰囲気でした。実際に内側で起きたプレッシャーや緊張感は、外からは分からないものだと思います。それは私を圧倒するもので、ただただコントロール不能に感じました。正直、何が原因だったのか理解できません」と口にした。大波乱の衝撃の中で、21歳は整理しきれない思いに向き合い、リンクを後にした。


◆イリア・マリニン(Ilia Malinin)2004年12月2日、米バージニア州フェアファクス生まれ。NHK杯優勝2度の母と長野五輪19位の父スコルニアコフさんの影響で、スケートは6歳で始める。自己ベストはSP110・41点、フリー238・24点、合計333・81点。趣味はスケートボード。4回転ジャンプは全6種類を操り、世界初のクワッドアクセル(4回転半)成功者。174センチ。


◆松本航(まつもと・わたる)1991年(平3)3月17日、兵庫・宝塚市生まれ。武庫荘総合高、大阪体育大でラグビー部。13年に日刊スポーツ大阪本社へ入社。2年間はプロ野球の阪神タイガース担当、以降は五輪競技やラグビーを主に取材。21年11月に東京本社へ異動。五輪取材は18年平昌、21年東京、22年北京、24年パリに続き、ミラノ・コルティナ大会で5大会目。ラグビーW杯は19年日本、23年フランス大会で日本代表の全9試合を現地取材。185センチ、100キロ。

    ニュース設定