脱「女人禁制」、祭りで相次ぐ=はだか祭や野馬追、条件撤廃も―伝統か平等か、地域葛藤・国際女性デー

10

2026年03月06日 15:02  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

尾張大国霊神社の「国府宮はだか祭」で奉納するササの束を威勢よく担ぐ女性たち=1日、愛知県稲沢市
 各地の祭りで、女人禁制の見直しが広がっている。「男女平等」の浸透や女性側の希望で改めた祭りがある一方で、判断に迷うケースも。地元の誇りをどう次世代につなぐのか。伝統と現実の間で地域が葛藤している。

 「わっしょい、わっしょい」。暖かな日差しとなった1日、紫の法被姿の女性らが尾張大国霊神社(愛知県稲沢市)の拝殿にササの束を担ぎ込む掛け声が響いた。ふんどし姿の男らがもみ合うことで知られる「国府宮はだか祭」。約1200年の伝統を持つ神事の「もみ合い」を前に、女性らは願いが込められた布を結んだササを奉納した。

 「無事終わり、ほっとした」。隣の同県一宮市から参加した介護士、玉腰厚子さん(59)は、かしわ手を打った後、仲間と笑顔でねぎらい合った。

 祭りでササを奉納できるのは男性だけだったが、新型コロナ流行時に男女問わず着衣で奉納できるようにした。その後、地元女性の希望を受け、2年前に女性団体による奉納が初めて認められた。神社には「祭りが汚れる」などの苦情も来たが、玉腰さんは「祭りを継承したい気持ちは同じ。伝統を尊重しつつ、盛り上げたい」と力を込める。

 富山県高岡市で毎年5月に行われる高岡御車山祭は、女性参加の是非を議論中だ。町内会ごとに出す壮麗な山車には小学生以下の男の子が乗る。少子化に伴い一部の町内会では2年前から、本祭前の町内巡行に限り、かみしも姿で男装した女子を乗せている。しかし、主催する祭りの保存会内では反対意見が根強い。

 保存会理事を30年近く務めた志甫和彦さん(87)は「安易に変えていいのか」と疑問を投げ掛ける。男児はご神体の「警護」役で、その意味を忘れて祭りが形骸化することを懸念するためだ。一方、吉村良則会長(77)は反対意見に共感しつつ、今後も少子化が見込まれることから「男だけでは維持できない」と思案を続ける考えだ。

 福島県南相馬市の「相馬野馬追」は昨年、「20歳未満で未婚」という女性の参加条件を撤廃した。主催団体内では伝統を理由に反対意見もあったが、希望者の声を受けて認めることにした。その結果、昨年5月の女性参加者は20歳以上の8人を含む40人で最多となった。

 同市の細川美和さん(40)は、小学1年の時から毎年出場した。成人後は未婚を貫きながら「いつかまた出られる」と信じていた。牧場に生まれ、馬と共に育った細川さん。20年ぶりに甲冑(かっちゅう)姿で馬に乗り、争奪戦で神旗をつかむと涙があふれた。「『男に生まれていたら』と思うこともあった。でも参加できて幸せ」とかみしめた。(了)

 【編集後記】愛知県の「国府宮はだか祭」では、ふんどし姿の男性が練り歩きながら参拝者に縁起物の布を分ける。ササを奉納した女性たちも笑顔で布を配り、参拝者との間で温かな交流が広がっていた。

 はだか祭りは、少し前までは女性が見物することさえはばかられたというが、その光景を見る限り、それは遠い昔の話のようだった。時代が祭りを変えるというより、こうした小さな関わりが少しずつ変化をもたらすのかもしれない。(時事通信社会部記者・池畑真衣)。 

国際女性デー2026
国際女性デー2026

このニュースに関するつぶやき

  • 『男子禁制 噂のマシンガン』なる番組があったんだ。「絶対アレやん!」って諸々のスタンバイを終わらせて見たら、単なるランキング番組だったんだ。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(9件)

前日のランキングへ

ニュース設定