
記録的熱波がヨーロッパ西部を襲っています。
猛暑対策として日本ではあたりまえのエアコンですが、フランスの家庭への普及率はわずか24%に留まっています。そこにはエアコンを設置できない事情があるようです。
JNNパリ支局 仁熊邦貴 支局長:
7月14日、パリでは「革命記念日」の祝日を迎えました。1789年7月14日、パリ市民がバスティーユ牢獄を襲撃し、王政を倒すきっかけとなった「フランス革命」が始まりました。その歴史を祝う日として、軍事パレードが行われます。
一方で、パリには熱波が押し寄せる見込みです。
現在、パリは午前9時過ぎですが、気温はすでに28.6℃まで上がっています。さらに、このあと最高気温は36℃まで上がる見込みです。
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高柳光希キャスター:
実は、パリは北海道より緯度が高く、本来は夏でも日中30℃を超えることはないそうです。しかし、近年は猛暑に見舞われ、2026年は特に暑い日々が続いているそうです。
6月18日には36.9℃となり、24日には40.6℃になりました。
その後、一旦暑さが収まったかと思いきや、7月10日から再び36℃台を連日記録しています。
そして、この猛暑の原因とされているのが次の3つの要因です。
【欧州の猛暑 主な原因】
▼アフリカからの熱波
サハラ砂漠から乾燥した熱い空気が流れ込む
▼ヒートドーム現象
上空に発達した強い高気圧が停滞し、蓋をするように熱を閉じ込める現象
▼地球温暖化
そして、6月22日〜28日の1週間、ヨーロッパの27か国・地域で、“暑さが原因”とみられる死者数が1万651人にもおよびました。うち、65歳以上が9786人とのことです。(EURO MOMOより 7月13日発表)
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高齢の方々にとっても、非常に厳しい生活が続いているのがわかります。
猛暑による影響で名物観光地は閉館時間早めるこの暑さはいろいろなところに影響が出ています。
【名物の営業時間も猛暑による影響】
▼エッフェル塔
通常は午前0時頃まで
→7月12日までは午後4時に閉館
▼ルーヴル美術館
通常は午後6時まで
→7月10日〜13日は午後4時に閉館
※上記2つは今後も気温上昇の変化をみて閉館の時間を早める方向とみられる
▼ツール・ド・フランス(世界最高峰の自転車レース)
7月12日に行われたレースでは、猛暑を理由に初めて180.4キロコースが約30キロに短縮
スキンケア研究家 三上大進さん:
学生のとき(約15年前)にフィンランドに留学していて、もちろんパリなどにも行きましたが、夏のヨーロッパは本当に涼しくて、とても過ごしやすかったです。そのため、エアコンがほとんどないというのも納得でした。
エアコンがないことが当たり前だった地域の方々にとっては、本当に苦しい時期を過ごされているのだろうと思います。
同時に、北海道と緯度が近いということですが、エアコンが普及していない地域の方々が日本にもいらっしゃると思うので、すごく心配になりました。
高柳キャスター:
そもそもフランスでは地下鉄・病院・学校にも基本的にエアコンは設置されておらず、一般家庭のエアコンの普及率も24%にとどまっていると言われています。なぜ、これほどエアコンの普及率は低いのでしょうか。
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仁熊 支局長:
パリの住宅や学校、病院の多くは100年以上前に建てられた「オスマン建築」と呼ばれる建築様式となっています。
パリの街並みを作っている代表的な建築様式ですが、作られた当時は現在のような猛暑からくる熱波は全く想定しておらず、エアコンを設置する前提でも作られていません。建物に室外機を設置できるようなバルコニーもありません。
エアコンや室外機の設置には、建物の住民全員と、パリ市からの許可が必要で、景観の問題から許可はほぼ下りないのが現状のようです。
井上キャスター:
ヨーロッパの方はエアコンに苦手意識があると聞きますが、どう過ごしているのか、自宅を撮影してくれたようです。
仁熊 支局長:
自宅はアパートの一室ですが、いま急速に普及している「室外機がいらない移動式のエアコン」を利用しています。排気ダクトを部屋の中から外に出さなければならないため、窓が完全に閉まらない状態になっています。
エアコンから涼しい風は出ているのですが、開いている窓の隙間から熱気がどんどん中に入ってくる状況です。
我が家では、布を窓の隙間に貼って対策しています。しかし6月、40℃を記録した日には、家に入ってきた強烈な熱波でエアコンの涼しい風が完全に負けていました。
井上キャスター:
湿度はどのくらいなのでしょうか。
仁熊 支局長:
日本に比べて湿度はほとんどなく、日差しが直接肌にあたって痛いような感覚になります。
井上キャスター:
仁熊支局長は大阪の系列局に所属しているため、普段は大阪で生活していると思いますが、大阪の夏とパリの夏はどっちが嫌ですか?
仁熊 支局長:
大阪は非常に暑くて、湿度も高い一方で、パリはからっとしていて、特に朝は非常に涼しいのでパリの方が暮らしやすいです。
しかし、パリの日没は22時ごろのため、寝るころまで明るくて、まだ暑いということもあり、寝るタイミングは非常に苦しいです。
井上キャスター:
やはりパリの街中では、日傘をささない人が多いですか?
仁熊 支局長:
パリでは日傘をさしている人がほとんどおらず、携帯用扇風機(ハンディファン)を持っている人もほとんどいません。熱中症対策としては、噴水の水を浴びるといったことが見受けられます。
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<プロフィール>
仁熊邦貴
JNNパリ支局長 EU各国を現地取材
猛暑対策でプールの年パスを購入(2万円)
三上大進さん
スキンケア研究家
大学卒業後 外資系大手化粧品会社に勤務
左手に障害があり パラリンピックでリポーターの経験も

