原爆の悲惨さ、展示法模索=「子どもが見ない選択」導入へ―被爆者ら反発も・広島資料館

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2026年08月03日 07:32  時事通信社

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原爆ドームの前でインタビューに答える内藤慎吾さん=7月17日、広島市中区
 広島市の平和記念資料館(原爆資料館)に2028年度、子ども向けエリアが新設される。凄惨(せいさん)な絵や写真について、見学するかどうかを子ども自身が判断する「選択展示」も含まれる。トラウマなど心理的影響に配慮した対応だが、原爆の恐ろしさを身をもって体験した被爆者は「悲惨な資料も全部見てほしい」と切望する。

 原爆投下から6日で、81年を迎える広島。被爆の実相をどう伝えるか、模索が続いている。

 資料館の25年度の入館者数は258万人超で、3年連続で過去最多を更新した。子どもらがゆっくり見学できないなど混雑緩和が急務となる中、同館は昨年6月、地下1階に子ども向けエリアを新設する方針で有識者の検討会議を設置。現在は会議で展示内容や手法が議論されている。

 24年に市が修学旅行生に行ったアンケートでは、混雑緩和とともに、重傷の被爆者の絵などインパクトの強い「怖い展示」への配慮を求める意見が上がった。臨床心理学の専門家が検討会議で行った報告によると、ストレス反応が高かった展示は、放射線障害で顔に斑点が出たり、重度のやけどを負ったりした被爆者の写真だった。

 避難する重傷の被爆者らを描いた絵も「人が人の形じゃないのが怖い」「頭から離れない」などの回答があった。会議では「恐ろしいものを見たという思いだけが残り、平和を考える動機付けにならない恐れがある」との意見も出て、選択展示の導入が決まった。

 会議の委員を務める学校関係者は「児童の安心と学習の両立を図れる」と歓迎。一方、被爆者として唯一の委員である内藤慎吾さん(87)は「被爆の悲惨な資料を見ずにどうして核兵器の廃絶を言えるのか。絶対に見てもらいたい」と力説した。資料館は「悲惨な資料をなくしていくわけではない。当時の惨状を見て核廃絶を考えてもらうという基本に変わりはない」としている。

 元資料館長の原田浩さん(87)も懸念を示す。展示物は、炎天下で腐敗した遺体のにおいを再現できないなど限度はあるが、「できるだけ当時の惨状に近づける努力をするべきだ」と指摘。選択展示について「訴える力がなく『核兵器はこんなものか』となるのが一番怖い」と話している。 

子どもたちのストレス反応が高かった原爆の絵。避難する重傷の被爆者らが描かれている(吉村吉助氏作、広島平和記念資料館所蔵)
子どもたちのストレス反応が高かった原爆の絵。避難する重傷の被爆者らが描かれている(吉村吉助氏作、広島平和記念資料館所蔵)

このニュースに関するつぶやき

  • 被爆地広島最近頭おかしくないか? 数年前の「はだしのゲン」排除といい、今回の無駄な「配慮」といい。 真実から目を隠して余計豆腐メンタルにさせてどうする?
    • イイネ!7
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