宮崎、鹿児島両県から被災地に駆け付けたキッチンカー=5日午後、熊本県氷川町 熊本地震の発生から7日で11日目となった。被災地では3万戸以上で断水が続いており、多くの避難者は調理がままならず、偏った食生活を余儀なくされている。猛暑が続く中、栄養状態の悪化が熱中症や感染症につながる恐れもあり、県などは食環境の改善を急ぐ。
県内では、被害の大きかった八代市、宇城市、氷川町の計3万6730戸(7日午後2時現在)で断水が続く。甲佐町の断水は同日解消したが、残る3市町で水が出るようになるのは8月末と見込まれ、多くの被災者がパンなどの保存食やレトルト食品に頼る生活を続けている。
県は支援物資中心の食事から栄養バランスの取れた弁当に移行できるよう、避難の長期化が見込まれる自治体に関係業者のリストを通知した。ただ、猛暑が続く被災地で弁当は傷みやすく、在宅避難や車中泊を続ける被災者が持ち帰って口にする場合、食中毒のリスクが懸念される。
県担当者は「衛生面を考えると、避難所の内外に弁当を3食、安定して供給するのは難しい。パンや缶詰といった支援物資と併用しながら、健康を維持できる主菜・副菜のバランスを工夫していく必要がある」と話す。
単調になりがちな避難者の食生活に彩りを添えているのが、調理設備を備えた「キッチンカー」だ。震度7の揺れが襲った氷川町では、宮崎、鹿児島など他県の飲食店関係者がキッチンカーで駆け付け、避難者に無料でから揚げや麺類、アイスなどを振る舞っている。
猛暑の中、久しぶりにソフトクリームを口にした40代女性は「最高です。パン中心の生活には飽き飽きしていて、野菜不足も感じていた」と感激した様子。小学6年生の息子(11)も「『うまい』の言葉しか出てこない」と笑顔を見せた。

避難所でおにぎりを受け取る人たち=7日、熊本県宇城市