8月の「千葉豪雨」では、関東内陸部から拡大する冷気層に対し、東の海上から流れ込む暖かく湿った空気が乗り上げる形となり、千葉県で局地的な前線が形成されて線状降水帯が発生したことが分かった。気象庁が2日までに異常気象分析検討会を開き、発表した。
同庁が気象予測に使うスーパーコンピューターの数値予報モデルでは、関東内陸で大雨が続く見通しとなっており、千葉県での線状降水帯発生を予測できなかった。発生位置の予測精度を向上させるため、同モデルなどの改善が必要という。
千葉豪雨は8月13日夕方に始まり、午後6時ごろに線状降水帯の発生、同7時半に大雨特別警報が発表された。これに先立ち、関東内陸部では午後に雨が強まり、冷気層が形成、拡大していた。
一方、東からの暖湿気は、千島東方に中心がある高気圧と日本の南海上にある大規模な低気圧(モンスーンジャイア)の間から流入した。高気圧は空気が時計回りに流れ、低気圧は反時計回りに流れるためで、千葉県の南海上にある別の小さな低気圧もこの流入を強めた。
冷気層に暖湿気が乗り上げ、前線ができたほか、上空の強い寒気の影響で、積乱雲が千葉県のほぼ同じ地域で次々に発達。レーダー観測では局地的に高さ15キロ以上まで発達した。千葉市中央区では1時間雨量が115ミリ、24時間雨量が367ミリに上り、いずれも観測史上最多を更新した。
同検討会の中村尚会長(東京大シニアリサーチフェロー)は1日の記者会見で、千葉豪雨や北陸の大雨の背景には温暖化による水蒸気量の増加があると指摘。「観測史上1位といった強い雨が降ることを十分想定しておかなければならない。早めに備えてもらいたい」と話した。