「偽名の航空券」で革マル系学生が逮捕 「本名以外」で航空券を買ったら常に犯罪?

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2013年11月18日 16:51  弁護士ドットコム

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10月下旬、革マル系の大学生が逮捕されたというニュースがネットで話題になった。スポーツ報知によると、大学生は偽名で飛行機のチケットを申し込み、搭乗したとして、「私電磁的記録不正作出・同供用」の疑いを持たれているという。


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「革マル」といえば、「中核」と並ぶ過激派左翼の代名詞として知られるが、全盛期は何十年も昔のこと。2013年の今、何のために偽名で飛行機に乗らなければならなかったのか……。



ふと考えると、電車やタクシーに乗る際に、名前を問われることはない。それなのに飛行機だと、本名で申し込まなければ「犯罪」になってしまうのだろうか。結婚して、普段使っている姓と戸籍の姓が違う場合などは、どうなるのだろうか。旅行法や航空法の実務にくわしい金子博人弁護士に聞いた。



●国際線は1文字の違いでもダメ!


同じ飛行機のチケットといっても、国際線と国内線の場合で違いがあるようだ。金子弁護士はまず、国際線のケースについて解説してくれた。



「海外旅行のために航空券を買う場合、パスポートの名前とスペルが一文字違うだけでも、買いなおすことになります。たとえば結婚して姓が変わった場合も、パスポートが旧姓のままだと、新しい姓では航空券を購入できないということになります」



なぜそんなに厳しいのだろうか。



「入国審査では、手元にある資料のみで、即時に人物の特定をする必要があります。したがって、航空券の名前とパスポートの名前が一致している必要があるのです。



この違いを他の資料で補って入国を認めるかどうかは、その国のルールで対処するので、入国を拒否されても文句は言えません」



こうした状況を避けるため、国際線では航空会社の段階でも、厳しくチェックが行われているようだ。



「航空会社も、航空券とパスポートの名前のスペルで照合し、人物を特定します。一文字でも違うと、搭乗券を発券してくれないのが普通です。他の資料を示して間違いだと説明しても、現場では判断しきれないため、通常は拒否されます。



航空会社にとっても、飛行の安全性から人物の特定は重要なので、この点の実務は厳格です。なお、IATA(国際航空運送協会)では、航空券の譲渡を禁止しているので、この点からも、人物の特定は重要となります」



●「人の事務処理を誤らせる目的」にあたるかどうか


一方、国内線ではどうだろうか。



「国内線の場合、話は別です。入国管理の問題がないので、運用はその国や各航空会社に任されています。日本では、職業上の名前や旧姓など、戸籍と違う名前で購入しても、チェックはないはずです」



それでは、なぜ今回の件は「逮捕」に至ったのだろうか。



「過激派の革マルの闘士としてマークされている女子大生が偽名を使って逮捕されたのは、単に偽名を使ったからではなく、『人の事務処理を誤らせる目的』で、電磁的記録を不正に作ったからです。



こうした行為なら、刑法161条の2で規定されている、電磁的記録不正作出および供与の罪に該当します。つまりは、当局のマークを逃れて、沖縄の闘争に参加しようとした、というのが前提の話でしょう」



このように金子弁護士は説明したうえで、次のように呼びかけていた。



「したがって、一般の人が、たとえば職業上の名前で国内線の航空券を購入しても、それだけで犯罪になることはありません。ご心配なく!」


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
金子 博人(かねこ・ひろひと)弁護士
国際旅行法学会の会員として、国内、国外の旅行法、ホテル法、航空法、クルージング法関係の法律実務を広く手がけている。国際旅行法学会IFTTA理事。日本空法学会会員。
事務所名:金子博人法律事務所
事務所URL:http://www.kaneko-law-office.jp/



このニュースに関するつぶやき

  • 「旧姓」で航空券を買ったら犯罪? (弁護士ドットコム - 11/18 16:51) だったら日本に住む在日韓国朝鮮人は日本名の偽名使ってやがるから本名で飛行機チケット買わなきゃ駄目だよね(爆笑)
    • イイネ!6
    • コメント 3件

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