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ワンコイン(100円)で朝食を提供する大学が増えています。「約4割の学生が朝食を取らない」という調査結果があることからも、健康管理や生活習慣の見直しのきっかけとして、有効な取り組みだと思います。
気になるメニューですが、2013年12月にこのサービスをスタートさせた立命館大学の例を挙げれば、ご飯と味噌汁におかず3品。おかずは春巻き、カニクリームコロッケ、納豆など多様なメニューがそろいます。しかし、なぜ100円という安価が可能なのでしょうか?それは学部生の保護者が加盟する「父母教育後援会」が、不足分160円を負担しているからだそうです。
大学側からみると、地元志向が強くなっている現在、地方から有能な学生を獲得するために、このサービスは大きな強みになる可能性があります。現に、このサービスを視野に学校選びをしている受験生もいるようです。
受験勉強に専念するなど、ほとんどの学生が「食」についての教育を受けていない環境から大学に入り一人暮らしをスタートします。学業のかたわら、自炊で3食を用意するのはかなりの負担になりますので、「100円朝食」は、子どもたちにしっかりと栄養をとってもらいたいという親心からすると心強いサービスでしょう。
一方で、「大学生にもなって父母会後援会とは過保護じゃないのか」「自立の機会を失うのではないか」という反対意見も聞かれます。しかし、この朝食が必要なければ利用しないという選択肢もあるし、後援会として費用負担を望まない家庭は受験の際に考えれば良いと思います。
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私個人の意見としては、おおむね賛成です。コストパフォーマンスの良さにつられて、多くの学生が利用するようになったとしても、「食」について考える場のひとつとなり得るし、利用が義務ではなく個人に選択権があるからです。また、1限目の出席率アップにつながるかもしれません。早起き、朝食摂取の習慣は、社会に出てからの健康管理や作業効率の向上に役立ちます。しかし、課題がないわけでありません。朝食を食べるという習慣を得た後は、何をどのように食べるかを学んでいく必要があるからです。
食生活は「出会い」です。親が作る料理が食卓に並ぶのが当たり前だった受け身の食生活から、自分でメニューを考えて作るなど、自らが選択する段階になると、新たな食との出会いを経験することになります。現在、食の情報は多種多様で取捨選択をするのが非常に難しいといえます。それが大学という教育の現場で、ある程度バランスのとれたベーシックな出会いを経験できることは大きな意義があると思うので、今後に期待したいところです。
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