「特定秘密保護法は憲法違反」 フリージャーナリストら43人「施行差止め」求め提訴

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2014年03月29日 11:30  弁護士ドットコム

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「特定秘密保護法は憲法違反だ」と主張するフリージャーナリストら43人が3月28日、国を相手取って、同法の施行の差止めなどを求める集団訴訟を東京地裁に起こした。特定秘密保護法は昨年12月に成立し、今年中に施行されることになっている。


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訴えたのは、フリーランスで活動しているジャーナリストやライター、映画監督など。訴状によると、政府が指定する「特定秘密」の漏えいやその教唆を犯罪とする特定秘密保護法は、知る権利などの基本的人権を広く侵害すると主張。この法律が憲法違反であることの確認や、施行差し止めなどを求めている。



特定秘密保護法を施行しないよう差止めを求める訴訟は、2月中旬に静岡県の弁護士が起こしているが、弁護団によると、フリージャーナリストによる集団訴訟はこれが初めてだという。



●「逮捕や取材妨害を受ける可能性が高い」


フリージャーナリストたちは提訴後に、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。彼らが特に問題視しているのは、日常的な取材活動が「犯罪」とされ、記者たちが処罰されてしまう危険性だ。



原告のジャーナリスト山岡俊介さんは「特定秘密保護法は拡大解釈によって、フリー記者が逮捕されたり取材妨害を受けたりする可能性が非常に高く、絶対に看過できない。私は事故後、福島第一原発の敷地内に入って記事を書いたが、法施行後ならいくらでも逮捕されるだろう」と主張した。



そうして、記者らが取材活動を萎縮するようになれば、国民の知る権利は当然ながら制限されてしまうというわけだ。



代理人の山下幸夫弁護士も「取材行為そのものが共謀や独立教唆、煽動などと見なされて、処罰される可能性がある」としたうえで、特定秘密保護法は「報道の自由を侵害する、憲法違反の法律だ」と強調した。



●「フリーは記者扱いされない」という疑念


山下弁護士はまた、知る権利や報道の自由への配慮を盛り込んだ同法22条についても、「単なる解釈規定で、同法の本質的な危険性を除去できるわけではない。フリーは報道に含まれないと解釈される余地も大きい」と問題点を指摘した。



この点について、原告のフリーランスライター畠山理仁さんは「フリーだと、政府会見への参加や質問すら思うようにできない」と説明。「そのことからすると、法施行後にフリーは記者扱いされないという疑念もある。そうなれば取材に著しい不都合が起きるだろう」と話していた。



今回の訴訟を呼びかけたジャーナリスト寺澤有さんは「明らかに違憲の法律が施行されようとしているのに、ただ見ているわけにはいかない」「法律の曖昧な点を、裁判を通じて明らかにしていきたい」と意気込んでいた。


(弁護士ドットコム トピックス)



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