企業も自治体も踊る「恋チュン現象」

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2014年04月11日 17:10  JIJICO

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JIJICO

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社長をはじめアナウンサーも。KBCで仕事をしている人が総出演


大規模な会社や組織になればなるほど、個々が連帯感や達成感を抱くのは難しいもの。ましてや、自分のことで精一杯な今の時代ならなおさらでしょう。しかし、私が昨年9月に携わった仕事は、それを見事に達成させるものでした。


「恋するフォーチュンクッキーKBC九州朝日放送社員Ver.」からの依頼で、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」をみんなで踊り、その動画をAKB公式ホームページに動画をアップするというもの。3日間で約40カ所、約400人に演技指導をしました。社長をはじめアナウンサーやタレント、カメラマン、大道具、メイクや警備員のほか、KBCで仕事をしている人が総出演するという、まさにお祭り的イベントでした。


一大ブームの要因に、誰もが取り組める難易度の低い振付


さて、「恋チュン現象」と言われるほど、一大ブームになった要因を私なりに考えてみました。


まずは、「AKB48」という今をときめくアイドルグループの楽曲であり、指原莉乃さんの初センター作品という注目度の高さ。プロモーションビデオも、指原さんが地元九州に凱旋。大勢のダンスエキストラが出演したことなどで、大きな話題となりました。


次に、振付が良かったという点。振付に関しては、ダンスが苦手な人でも踊れる程度の難易度であったということが良かったのでしょう。また、音楽に流行があるように、ダンスにも流行があります。例えば、ジルバ、マンボやツイスト、ソウル、ブレイクダンスなどが時代とともに流行しました。振付に使われたダンスが、中高年世代にも比較的なじみのあるものだったことも「恋チュン現象」に勢いをつけた要因でしょう。


みんなで作り上げたことで得られる連帯感や達成感が伝染


最後に、その映像を見た人たちが「私たちもやりたい!」と思う何かがあったこと。実は、これが最も重要だったのではないかと考えています。私が演技指導に携わった「KBC九州朝日放送社員Ver.」が、後日、AKB公式ホームページにアップされたとき、非常にうれしかったのを覚えています。部外者の私がそう思ったのですから、社員のみなさんはそれ以上だったことでしょう。


映像のエンディングが、出演者のモブ(人がたくさん集まった状態)になっているVer.が多かったことに気づいた人も多いと思います。一つの映像を社員総出で作り上げたことで得られた連帯感や、自分も携わったということで得られた達成感。まさに、あの瞬間、出演者たちが抱いたであろう、そういった感情が視聴者に伝染し、結果、「恋チュン現象」になったのではないでしょうか。



(楡田 利克・ダンサー)

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