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モーニング娘。'14の第6期メンバー・第8代目リーダーである道重さゆみが、4月29日に山口県の周南市文化会館で行われた「モーニング娘。'14コンサートツアー春 〜エヴォリューション〜」にて、今年の秋をもって同グループおよびハロー!プロジェクトを卒業すると発表し、大きな話題となっている。
大黒柱としてグループを支える彼女の卒業により、モーニング娘。'14はどのように変化していくのだろうか。『アイドル楽曲ディスクガイド』の編者であり、同グループの動向に詳しいピロスエ氏は、道重の卒業に関して次のように語る。
「モーニング娘。のメンバーが卒業する際、大抵は「まだ早い」というファンの反応が上がります。その理由は様々ですが、ここ数年の9期メンバー加入以降の時期に顕著なのが、高橋愛・新垣里沙・光井愛佳・田中れいなといった年長メンバーが次々と卒業していったことに対し、『9期以降のメンバーがアイドルとして成熟するまでもう少し待ったほうがいいんじゃないか』というグループの今後を踏まえての危惧の声で、それはとても大きいと毎回感じます。今回の道重についても同じことが言えますが、少し違うのは、昨年11月の秋ツアー千秋楽の武道館での『(ツアーが不安だったけど大丈夫だった。なぜなら)後輩たちが頼もしくなっていたからです』という道重のMCがあったことですね。さすがに『安心してすべ てを後輩に任せて卒業できる』ということではないと思いますが、彼女が卒業を決意したひとつのきっかけではあったんじゃないかな、と。また、道重さゆみはアイドルという生き方について誰よりも自覚的で、それは様々なエピソードからも伺えます。どこでモーニング娘。を辞めるか、その落としどころについてずっと考えていたであろうことは容易に想像できます。どのタイミングが正解なのかなんて誰にもわかりませんが、 彼女の出した結論が『今年秋』なんだったら、ファンはそれを受け入れるしかないでしょう。ただ、そうなると昨年からのグループの悲願であった 紅白歌合戦出場がもし年末に叶ったとしても、道重はその場にはもういないということが最大の悲劇でしょうね」
また、道重が卒業することにより、メンバーの心境にも少なからぬ影響を与えるのではないかと、同氏は指摘する。
「2007年に吉澤ひとみが卒業した時、ガキさん(新垣)が『吉澤さんが卒業しちゃうと私の中でのモーニング娘。がいなくなっちゃうんですよ』という名言を残しているんです。これは自分がファンとして知っていた頃のモーニング娘。のメンバーが居なくなったという意味なのですが、この『自分の中のモーニング娘。』像は、メンバーそれぞれにあると思うんですよね。今回の道重卒業により、2007年〜2010年の“プラチナ期”と呼ばれていた時期のメンバー9人が全員いなくなってしまいます。9期以降のメンバーにとっては、プラチナ期という括りで意識しているかどうかはわかりませんが、やはり道重は直近の先輩としてとても大きな存在だったのは間違いないでしょう。その道重を失った喪失感にメンバー各自がどう対処していくか、ここが今後の娘。の物語を見守っていく際の大きなポイントだと思っています」
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さらに、道重卒業のこのタイミングは、楽曲面の方向性を変化させるきっかけになるかもしれないという。
「ここ数年で娘。が復調してきた要因のひとつでもあるEDM調の楽曲や、フォーメーションダンスなどは、他のアイドルにない武器として今も注目を浴び続けており、最近ではシングル5作連続1位という快挙も成し遂げています。ただ、古くから彼女たちを見てきているファンからは、同じテイストの楽曲が続くことに対する賛否両論もあります。彼女たちが“黄金期”と言われた1999年〜2001年期の楽曲は、シングル1枚ごとにまったく異なったアプローチをしてきたからです。そう考えると、大きな変化となる今のタイミングは、このままEDM路線を続けていくのか、それとも様々な楽曲を展開していく“黄金期路線”にシフトするのか、その分かれ道となるのかもしれません」
絶対的リーダーの卒業により、今後の動向が注目されるモーニング娘。'14。現在行われている12期のオーディションや、次期リーダーによっては、その形が大きく変わる可能性もありそうだ。(リアルサウンド編集部)
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