笹井氏急死で広がる「動揺と不安」 理研が「静寂な環境」求める声明を発表(全文)

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2014年08月08日 16:01  弁護士ドットコム

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STAP論文の筆頭著者の一人だった、理化学研究所発生・再生科学総合センターの笹井芳樹副センター長の急死を受け、理研の関係者に動揺が広がっている。理研は8月7日、「STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ」と題した声明をウェブサイトに掲載し、「静寂な環境」を望んでいることを明らかにした。


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声明では、「論文著者のみならず、現場の研究者、特に若い研究者たち、技術者、事務職員ならびにその家族、友人たちの動揺と不安は深刻で、非常に大きな心労を抱えている者もいる」と説明。そのため、理研として、「あらゆる方策で、こうした心身の負担軽減を講じていく」という姿勢を示した。



理研に対しては、STAP論文をめぐる疑惑の解明や組織改革に向けた対応が遅れている、との批判が出ている。しかし、この点について、声明は「真摯に取り組んでおります」と強調。そのうえで、「いましばらくの時間と静寂な環境を与えていただくことを切にお願いする」と訴えている。



理研広報室は、声明を発表した理由について、「笹井副センター長が亡くなったことで、理研内外の研究者や関係者に心理的なダメージが広がっている」とコメントしている。



理研が発表した声明の全文は、以下のとおり。



●STAP細胞問題にご関心を寄せられる方々へ


再生医学分野を世界的に先導してきた笹井芳樹 発生・再生科学総合研究センター副センター長の早すぎる死を防げなかったことは、痛恨の極みです。笹井副センター長に謹んで哀悼の意を表すとともに、ご家族に心からお悔やみ申し上げます。



今、大切なことは、この不幸がこれ以上周辺の関係者に影響を与えないことであると認識しております。波紋が社会的に大きく広がる中で、関係者の精神的負担に伴う不測の事態の惹起を防がねばなりません。



3月以降、STAP論文の著者たちが、多方面から様々な批判にさらされ、甚だしい心労が重なったことを懸念し、メンタルケアなどに留意していたところですが、今回の事態に至ってしまったことは残念でなりません。



現在、当該論文著者のみならず、現場の研究者、特に若い研究者たち、技術者、事務職員ならびにその家族、友人たちの動揺と不安は深刻であり、非常に大きな心労を抱えている者もおります。理研は、今後もあらゆる方策で、こうした心身の負担軽減を講じていく所存ですので、皆様にも、ぜひこの状況をご理解とご協力いただきたくお願い申し上げます。



理研はSTAP研究論文にかかる問題の解明と、研究不正再発防止のための提言書等を踏まえた改革のためのアクションプランの策定に真摯に取り組んでおります。理研自らが、社会の要請に応えるべく、一刻も早く研究に専念できる環境を再生することが何よりも重要であると考えております。そのためにも、いましばらくの時間と静寂な環境を与えていただくことを切にお願い申し上げます。


(弁護士ドットコム トピックス)



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