橋本聖子議員「キス騒動」で同姓同名の「歌手」に批判コメ殺到・・・名誉毀損になる?

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2014年09月12日 12:31  弁護士ドットコム

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日本スケート連盟の会長をつとめる橋本聖子参院議員の「キス騒動」が思わぬところに波及している。騒動が発覚した8月下旬、「同姓同名」の若手歌手・橋本聖子さん(21)のブログに批判コメントが殺到した。


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日刊ゲンダイによると、ブログには「セクハラ聖子!」「オリンピックに出てた時は応援していたのに見損なった」「政治に専念しろ」などのコメントが書き込まれた。橋本さんは「誤解されてショックです」と話しているという。



人違いのとばっちりを受けたかっこうだが、「歌手の橋本さん」は、こうしたコメントを書いた人に対して、名誉毀損などの法的責任を問えるのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。



●「人違い」でも名誉毀損にあたる場合がある


「『国会議員のAさん』を非難する内容の書き込みが、同姓同名の『歌手のAさん』のブログになされたという事例で考えてみましょう。



もし、『歌手のAさん』のブログに書き込まれた内容が、『歌手のAさん』の社会的評価を低下させるような内容であれば、『歌手のAさん』に対する名誉毀損行為や侮辱行為に該当する可能性があります」



国会議員のAさんに向けた書き込みが、歌手のAさんの社会的評価を下げるというのは、たとえばどんな事例だろうか。



「たとえば、『歌手のAさん』のブログに『セクハラA!』と書き込まれた場合ですね。



その書き込みを見た人は、『国会議員のAさん』ではなく『歌手のAさん』が『セクハラをするような人だ』と受け取ってしまう可能性があります。



こうした書き込みは、『歌手のAさん』の社会的評価を低下させるおそれがあるといえるでしょう」



●「相手を勘違いした」というケースは?


相手を勘違いしたという場合でも、ダメなのだろうか。



「刑事責任については、次のような例で考えることができます。『犯人がXさんを殺すためピストルを撃ったところ、Xさんがとっさによけたため、背後にいた全く無関係のYさんが被弾し、死亡した』という例です。



この例では、『XさんであれYさんであれ、犯人には<人間>を殺す意図があったことには違いはない。その意図のもとで<人間>を殺すという結果が生じたのだから、犯人にはYさんに対する殺人罪が適用できる』と判例は考えてます。



さきほどの名誉毀損、侮辱行為の例も同様に考えることができます。書き込みをした人は、<人>の名誉を毀損したり侮辱する意図で、<人>の名誉を毀損し侮辱する結果が生じさせているからです。



したがって刑事上、『歌手のAさん』に対する名誉毀損罪ないし侮辱罪が成立する可能性があります」



すると、民事上の損害賠償請求も可能なのだろうか?



「民事上、『歌手のAさん』に対して慰謝料などの損害賠償責任を負うかどうかも、基本的には、刑事責任と同じように考えることができます。



むしろ民事上の責任は、過失でも生じますので、刑法上の責任よりも民事上の責任が生じる範囲は広いと言えます。不用意な書き込みには注意したほうがよいでしょう」



石井弁護士は、このように注意を呼びかけていた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
石井 龍一(いしい・りゅういち)弁護士
兵庫県弁護士会所属 甲南大学法学部非常勤講師
事務所名:石井法律事務所
事務所URL:http://www.ishii-lawoffice.com/



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