「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」。ガンダムシリーズの中でも屈指の名言です。ガンダムを良く知らなくても、これと『親父にもぶたれたことないのに』や『坊やだからさ』ぐらいは知っているでしょう。この「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」を発したのが、ジオンの青い巨星こと「ランバ・ラル」です。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■部隊は家族、俺らの親父はランバ・ラル!
監督はランバ・ラルをアムロの『父親役的存在』として設定していたそうです。それを反映してか、既婚者で部下にも慕われる言わば『親父』としての面が劇中で描かれています。部下への配慮を忘れず、意に沿わない任務であっても自分の出世が部下達の為になるならと受ける。指揮官としてとても素晴らしい人です。もしこの人の部下であったなら、それはとても幸せな事でしょう。19話、ソドンの街のエピソードではその一端を垣間見る事が出来ます。
■いかつすぎずイケメンすぎない普通のオッサン
ランバ・ラルの外見はあまり良いという感じではなく、身長は割と低め、身体は見た目にはずんぐりむっくり。同じ武人であるドズルよりいかついわけではなく、かといってシャアのようなイケメンでもない。何というか普通のオッサンという表現がしっくりくる感じです。
しかし、だからこそ親しみを持てますし、精神面と併せて兵達に慕われているというのが理解し易い、共感し易いと思うのです。まるで自分の父親を見るような感覚でしょうか。 そんな普通のオッサンが男らしさや強さを劇中で見せる事で、よりその面が際立つのです。登場期間は決して長くは無いものの、人気の秘密はそこにあると私は睨んでいます。
■ザクとは違うのだよ!
ランバ・ラルと言えば勿論この台詞と、新型モビルスーツ・グフですよね。青い巨星の名の元となった青いカラーのあの機体です。
パイロットとしての技量はトップクラス。多分当時のシャアと真正面から闘ったら、ランバ・ラルが勝っていたのではないでしょうか。そう思わせる程に強いんです。扱いが難しいであろう特殊な武器「ヒートロッド」も、彼にかかれば防御をすり抜ける最強武器に早変わり。そもそも中距離が弱いと後に苦情が出たグフで、射撃武器を持っている相手を追い詰めるとか普通じゃない強さです。
アムロからは、ライバルであるシャアを差し置いて『あの人に勝ちたい』とまで言われていました。越えるべき父親の背中をそこに見たのでしょうか。なんとも大きく、青い空のような背中だったことでしょう。惜しむらくはガンダムに敗れた後、モビルスーツの補充が無かった為にパイロットとしての活躍はそこが最後になってしまう事。もっと彼の暴れる姿が見たかったですね。
■根っからの職業軍人、白兵戦もお手の物
モビルスーツ同士の戦いがメインとなるガンダム、本格的な白兵戦が描かれる事は割と稀だったりします。シャアやアムロでさえ『モビルスーツの戦いと白兵戦は別物』という旨の発言をしていますから、パイロットとしての適性がそのまま本人の白兵戦適性に転化される事はありません。白兵戦は最後の手段で本来パイロットの仕事ではないって事ですね。
しかしラルはモビルスーツを降りても一流の戦士です。むしろ白兵戦こそが本領とばかりにホワイトベースを襲撃し、これまたいいところまで制圧します。しかし悪運が重なり最終的に敗北し、最期は手榴弾で自決してしまうのです。なんとも武人らしく男らしい、潔い散り際であります。敬礼。
前項と併せて、宇宙世紀最強の武人ではないでしょうか。最強の二文字に痺れない男はいないと思います。
■ラルさん
初代とは関係無いですし全くの別人という設定ですが、初代ガンダムからのスピンオフ的なキャラクターとして、ガンダムビルドファイターズにラルさんという人物が出て来ます。見た目や一部の設定が完璧にランバ・ラル。好きなモビルスーツはグフ。明らかに彼です。別人ですが。平和な世界でガンプラを作るラルさん。その姿に何だかほっこり嬉しくなりました。一度見てみてください、本編も面白いしおススメです。
青い巨星ランバ・ラル。親しみやすいオッサンが放つ名言の数々、実際に楽しんでみてはいかがでしょうか? きっとあなたも気に入ると思いますよ!
ランバ・ラル(機動戦士ガンダム)の画像や関連記事はこちら
【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】
★記者:諸葛均(キャラペディア公式ライター)
(C)創通・サンライズ