2011年春アニメでありながら現在も根強い支持を受け、いまだに聖地巡りなども行われる不朽の名作『あの日見た花の名前を僕達は知らない。』。「あのはな」「あの花」などの呼称で親しまれています。アニメに詳しくない方でも一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか?裏がありまくりな登場人物の中で、もっとも冷静でもっとも優しい女の子がマンガ版の主人公でもある「鶴見知利子」、通称“つるこ”です。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■優しさとストレートさと包容力と
幼少時代は絵が好きで優しい普通の女の子だったつるこ。高校では小学校時代に結成した「超平和バスターズ」での仲間“ゆきあつ”こと松雪集と同じ進学校に通い、学年4位の好成績をキープしています。黒髪ストレートヘアに赤メガネ。見るからにインテリのクールビューティー。物静かで言うときはピシャっという強さを持っています。
小学生のころから好意を持っていたゆきあつとは、常に一緒にいるためにカップル扱いされていますが実際は片思い。ゆきあつの秘密の趣味を唯一理解しているため頼られているためと、友人のためにオブラートに包まず(優しさから)ストレートな発言をしてしまうつるこの性格上、他に友人がいないためと思われます。
■アスター、その花言葉は「信じる心」
そんな優しくも不器用なつるこ。事故死しためんまに対して、他のメンバーとは少し立場が違います。
他の超平和バスターズのメンバーは、めんまの事故にそれぞれ「自分のせいかもしれない」と負い目を感じています。みんな直接的な原因ではないのですが、ゆきあつと“あなる”こと安城鳴子は、めんまの気持ちを裏切り約束を破ったこと、そして自分の気持ちをぶつけたせいで、めんまがひとりで出て行ってしまったと後悔し、主人公の“じんたん”こと宿海仁太は、照れからめんまにひどいことを言ってしまい、逃げた自分を追いかけたせいで、めんまが事故にあってしまったことを後悔し、ぽっぽこと久川鉄道は助けられなかったことに罪悪感を持っています。
一見クールで、ずばずばとみんなの問題点を指摘するつるこですが、基本とても心やさしい子です。今は仲たがいしてしまったけれど、平和バスターズの仲間をとても信じています。必ず、現在の苦悩を克服できると、つるこを象徴する花、アスターの花言葉「信じる心」を持って見守っているのです。その心の強さと、優しさと包容力はとても高校生とは思えません。初恋の相手とはいえ、心が壊れたままのゆきあつを支えてきたつるこならではの強さなのでしょうか?タレントの明石家さんまさんも2014年の「良い女ベスト」で7位に選ぶほどです。
■報われない恋と潔癖性
自分の大好きなゆきあつはめんまが好き、めんまとじんたんは両想い。振られた形のゆきあつは、同じくじんたんに失恋したあなると意気投合するという、悲しい状況のつるこ。いくら片思い中とはいえ、決してゆきあつを特別扱いせずに、じんたんが正しいと思えばじんたんを擁護します。小学校時代、自分の恋路のためにめんまとの約束をやぶったゆきあつとあなるに対して怒りを覚えるのも、嫉妬だけではなく、つるこの潔癖性が出ているといえます。
「だったら一回ちゃんとごめんなさいして一緒にがんばりましょう」
コミックス版のつるこの名言です。人は間違うものです。間違ってもいい、そして手を差し伸べるからがんばろう、つるこの優しさが詰まった一言ですね。
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★記者:藤原ユウ(キャラペディア公式ライター)
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