【アニメキャラの魅力】ネタ探しに勤しむ姿は漫画家の鑑！我らが主人公「野崎梅太郎」について『月刊少女野崎くん』

一癖、二癖どころではすまない強烈な個性を持ったキャラクターたちが登場する『月刊少女野崎くん』。キャラクターたちのテンポの良い掛け合いと、突然かましてくるボケ、ツッコミの嵐により、好評を博しました。

　そんな作品の主人公こそが「野崎梅太郎」です。大柄で筋肉質な外見と裏腹に、繊細な女性心理の描写が話題の“大人気少女漫画家”です。彼は男子高校生でもあるので、学業と執筆の両立に苦労しており、常に原稿の事で頭がいっぱいです。日常生活を過ごす中で常に漫画のネタ探しに夢中な彼の行動は、周囲の人からはとても奇異に映ってしまいます。しかし、鈍い彼は周りの反応・評価を一切気にせず、今日も執筆に勤しみます。そんな男子高校生少女漫画家の魅力を紐解いていきましょう。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■無骨で無神経、厳つい彼は少女漫画家！

　身長190cm、筋肉質で元バスケ部。こう書くと厳ついスポーツマンのイメージが湧いてきます。一方、繊細な心理描写で乙女心を代弁する少女漫画家。こう書くと心優しい女性作家というイメージが湧いてきます。では、両方兼ね備えた輩はどんな人間なのか？その答えが「野崎梅太郎」なわけです。

　常に漫画のネタを探し原稿の事を考えている彼は、まさに漫画家の鑑。学業と仕事を両立させる為に、学校の近くで一人暮らしをしています。自身の原稿料で生活費を賄い、炊事、洗濯もキチンとこなす生活力の高さを持つ野崎くん。しかし、普段は無神経で、同級生の女子に「下着が透けている」と平気で人前で指摘する様な人柄です。

　そんな無神経男の野崎くんですが、彼の漫画に対する情熱は本物です。読者が楽しめる、より良い作品を描くべく日頃から努力を欠かしません。この情熱が読者の心を掴む作品を産み出しているんですね。

■頭の中は原稿でいっぱい。周囲も困惑する野崎くんの情熱。

　バスケの試合で活躍することよりも、ベタフラッシュが描ける方が格好良い。そう豪語する野崎くんの独特過ぎる感性は、周囲の人からは変わって見えます。（漫画のネタに事欠かない）バレンタインデーを誰よりも心待ちにしながら、自分は一個も貰っていないのです。平然と答える彼を見て同級生たちは何を思ったのでしょうか。

　変わって見えるだけならまだしも、自分の日常生活を野崎くんの漫画の題材にされ、ネタ探しの為に協力させられることもあります。こうした突飛な彼の行動は、普段の無神経な言動と相まって、時には顰蹙をかってしまうことも。バレンタインデーとは違い、「ホワイトデーは（題材的に面白くないから）要らない」と発言してしまうので、女性陣から敬遠されてしまいます。

　野崎くんの人間関係を考えると本当はよろしくない事ですが、視聴者的にはこの「野崎くんと周囲の感性のズレ」が面白く、男子高校生少女漫画家という非日常的な存在を、更に魅力的にみせる要素の一つとなっています。兎にも角にも、ライバルがいないならそれに越した事はないよね千代ちゃん？

■アンタが大将！皆を惹きつける人柄

　何事にも漫画優先で、千代と出かけた時も題材探しばかり。周囲からは変人に見える野崎くんですが、実は彼を慕う人は結構います。好意を寄せる千代やアシスタントとして協力する御子柴、掘、若松。彼らはみな、野崎くんの誠実な人柄に惹き付けられたからこそ彼に協力しているのです。

　御子柴や若松が悩んでいたら相談に乗り、掘への礼として脚本を書き上げる。劇中では描かれていませんが、他のクラスメートにも、同様の接し方をしているのでしょう。まあ、漫画への強すぎる情熱がその優しさを覆い隠しているのですが。普段、原稿の事ばかりのクセして突然優しく接してくる。女性からすれば、このギャップによる破壊力が相当なものと思われます。千代ちゃんが好意を抱くのも納得ですね。

　常に一生懸命で誠実。他人を気遣う優しさも持っている野崎くんは、まさにこのアニメの主人公にふさわしいキャラクターです。ただもう少し周囲の目を気にして、できれば千代ちゃんの気持ちにも気づいてあげれば良いのですが・・・。


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★記者：羽野源一郎（キャラペディア公式ライター）

(C)椿いづみ／スクウェアエニックス・「月刊少女野崎くん」製作委員会