『第18回 文化庁メディア芸術祭』の受賞作品発表、国内外の3,853点から選出

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2014年11月28日 18:50  CINRA.NET

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『第18回文化庁メディア芸術祭』ロゴ
文化庁メディア芸術祭実行委員会による『第18回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品が発表された。

今年度は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、71の国と地域から3,853作品の応募が集まった。

アート部門の優秀賞に選出されたのは、五島一浩による『これは映画ではないらしい』、坂本龍一/真鍋大度による『センシング・ストリームズ―不可視、不可聴』、オランダのルーベン・パーテルによる『Drone Survival Guide』、スイスのCod.Actによる『Nyloïd』、福島諭『《patrinia yellow》for Clarinet and Computer』の5作品。大賞作品は「該当なし」となった。

エンターテインメント部門の大賞に輝いたのは、Google's Niantic Labsのゲームアプリ『Ingress』。位置情報と実際の地図機能を使用したシンプルかつ大規模なシステムにより、現実世界との新たな出会いを提供した点などが受賞理由として挙げられている。

アニメーション部門の大賞は、ロシアのアンナ・ブダノヴァによる短編アニメーション『The Wound』。作品の完成度に加えて、心の傷を追った少女と、傷が具現化した毛むくじゃらの生き物・ウーンドの友情を描いた物語も高い評価を獲得した。また、日本からは『映画クレヨンしんちゃん「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」』『ジョバンニの島』の2作品が優秀賞に輝いた。

マンガ部門の大賞は、近藤ようこが津原泰水の短編小説を漫画化した『五色の舟』。太平洋戦争末期の広島を舞台にした幻想的なSF作品を漫画作品として昇華した手腕と、真摯な創作姿勢などが評価された。そのほか島本和彦『アオイホノオ』、李昆武とフィリップ・オティエ、訳・野嶋剛の『チャイニーズ・ライフ』、沙村広明の『春風のスネグラチカ』、いがらしみきおと原作・山上たつひこの『羊の木』が優秀賞を受賞した。

また、功労賞には日本科学未来館のシンボル『ジオ・コスモス』『インターネット物理モデル』などを手掛けたエンジニアリングデザイナーの岩政隆一をはじめ、海外コミック作品を日本に紹介した映画・漫画評論家の小野耕世、精力的に後進の教育にあたり、日本のメディアアートに影響を与えたビデオアーティスト山本圭吾、『日本アニメーション映画史』などの著書で知られるアニメーション研究者・渡辺泰が選出された。

『第18回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展』は、2015年2月4日から2月15日まで東京・六本木の国立新美術館ほかで開催。会場では受賞作品や審査委員会推薦作品、功労賞受賞者の功績などを展示や上映、様々なプログラムを通じて紹介する。また、サテライト会場となるシネマート六本木、SuperDeluxeでは、アニメーション作品や映像作品の特別プログラムの上映、マンガ部門の全受賞作品が自由に閲覧できるマンガライブラリー、パフォーマンス作品の公演やプレゼンテーション、トークイベントなどが行われる。受賞者への贈呈式は2月3日に行われる予定だ。
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