一度死んだ主人公が霊界探偵となり、たくさんの出会いや戦いを経て成長していくバトル作品『幽☆遊☆白書』。この中で主人公との敵対関係から少しずつ仲間となり、戦いを共にするのが邪眼(第三の眼)を持つ妖怪「飛影」です。他にも心が揺さぶられるキャラクターがたくさんいますが、究極のツンデレである「飛影」の魅力を熱く紹介いたしましょう!
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
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■小柄な身体を纏う黒服の魅力
『幽☆遊☆白書』の中で、おそらく一番小柄な飛影ですが、その小柄な身体がとってもかわいいのです!そして、特徴的な大きくて赤い三白眼がまた素敵です!服はいつも黒く、マントのようなものを羽織っています。首元だけ白いストールが巻かれていて、この黒と白が飛影の美学なのかもしれません。喪服を纏いながら汚れなき真っ白なプライドを持っている。もしくは、その白が血で汚れていくことを望んでいるのか・・・なんてことすら思ってしまうのです。ストールをとったときの華奢な首のライン、黒いマントが戦いでどんどん切り刻まれていくのも、飛影だからこそ出せる色気なのです。
■強くなるためのストイックさ
一度は力を蓄えた飛影が、「ある物」を探すためだけに、その力をなくしてしまうことを知りながらも、「第三の眼」=「邪眼」を得るのです。力をなくす上に、壮絶な痛みや苦しみにも耐えなければならない、それでも彼はそれらを全て乗り越えて新たな力をつけていく。もうストイックの極みです。
そして手に入れた炎の力。自分の手を犠牲にしてその力を使うのです!その時は「仲間のため」というより「強い相手を倒すため」ですが、これも、物凄い精神力がないとできないことですよ!己を犠牲にして、どんどん強くなっていく過程は、見ていてドキドキキュンキュンしてしまうのです。
■時折みせるツンデレ
最初は一匹狼な飛影。これが、主人公の浦飯幽助(うらめしゆうすけ)の影響によって、仲間のために戦っていくようになります。しかし本人は「不本意」満開のツンツンな態度なんですね。そのツンツンな態度も愛情の裏返しにしか見えなくなってきます。
そんなポーカーフェイスな飛影が、思いきり動揺する相手がただ一人、妹の雪菜(ゆきな)です。囚われた彼女を探すために「邪眼」を会得したんですね。しかも兄とは名乗らない。まあ、雪菜はわかっていると勝手に思っています。
そして、なんといっても力を使い果たしたあとの寝顔は、飛影究極のデレですね。寝顔なんて無防備な姿を仲間に見せるなんて。ツン度95%・デレ度5%の割合ですね。時々しか見られないからこそのお得感と充実感です!
■お互いの強さと弱さを認め合う言葉のいらない関係
仲間の一人である妖狐・蔵馬(くらま)に対しても言えるのですが、お互いの弱さを認め合ったときこそ、心を開く瞬間なんですね。蔵馬とのアイコンタクトや会話のないコンビネーションも素敵なのですが、やはりここは躯(むくろ)という魔界に君臨しつづける女性との関係が、一番の萌えポイントです。
躯は飛影に、生きていくことの意味を自らの過去や弱さを見せて教えます。その時に、飛影の過去の記憶にも触れ、「お前はまだ死を求めるほど強くない」という言葉にはゾクリとしますよ。そして、飛影もまた躯を悩ませる過去を断絶するために、彼女を苦しめた存在を消し去るのです。躯が過去の呪縛で苦しむのは一年に一回です。誕生日になると彼女は自身に苦しむのです。そして、その過去を切り離したとき、躯は微笑み、飛影は一言「ハッピーバースデー」と微笑むのです。余計な言葉などいらない、この関係性と距離感がたまらなく素晴らしいのです。
『幽☆遊☆白書』は、当時少年誌に縁のなかった女子たちが少年誌を読みだすキッカケともなった作品です。アニメにもなっていますので、ぜひ漫画・アニメどちらも見てほしいです!アニメと漫画では異なっている設定もあるので、それもぜひ見つけて楽しんでいただきたいです!
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★記者:山本秀一(キャラペディア公式ライター)
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