ヤン・シュヴァンクマイエルの22作品を一挙上映、『シュヴァンクマイエル映画祭2015』

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2014年12月11日 10:40  CINRA.NET

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『アリス』 ©CONDOR FEATURES.Zurich/Switzerland.1988
ヤン・シュヴァンクマイエルの映像作品を紹介する特集上映『シュヴァンクマイエル映画祭2015』が、2月下旬から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催される。

同映画祭では、長篇デビュー作『アリス』をはじめ、『ベルリン国際映画祭』で『アンジェイ・ワイダ賞』などを受賞した『オテサーネク』、シュヴァンクマイエルのシュルレアリストとしての側面が表現された『サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―』といった長編作品3本に加えて、数々の短編作品など全22作品を6プログラムに分けて上映。さらにシュヴァンクマイエルの原点ともいえる舞台作品の中で、特に関係の深いラテルナ・マギカの『魔法のサーカス』からシュヴァンクマイエルが人形演出をした場面を特別上映する。

同映画祭は4月から6月にかけて兵庫・神戸アートビレッジセンター、京都みなみ会館、大阪のシネ・ヌーヴォ、愛知・名古屋シネマテーク、北海道・札幌のシアターキノなどでも行われる予定。詳細は後日発表される。

なお、シュヴァンクマイエルは現在、カレル・チャペック原作による新作『虫』の撮影を準備しているとのこと。

■ヤン・シュヴァンクマイエルのコメント
私の全ての映画は、全体主義(トータリテリアニズム)やいわゆる民主主義(デモクラシー)という文明の「裏面(バック・サイド)」において創られました。同時に、これらの映画は想像的なものであり、またこの幻術的な想像力は常に転覆的です。何故なら想像力は、実在(リアル)であることより可能であることを優先するからです。また、魔術的な想像は日本の伝統的な美術や芸術にも見受けられます。これゆえに、私の映画は日本の観客の皆様に受け入れられているのかもしれません。同じく私は、黒澤明監督のサムライ映画や魑魅魍魎に溢れる歌舞伎ないし伝統的な浮世絵などを嗜好しています。ご覧いただく映画祭のために選定した映画は、私の創作において想像の上位的な地位を示しているものです。何故なら、私は常に、フランスの偉大な詩人シャルル・ボードレールのように、想像力を人間の諸能力の女王と見なしていますから。
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