存在感のない自分から卒業したくてアイドルになった「中川かのん」。
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一見、成功を掴んで不動の自信を手に入れているように思えるのですが、実は大きく自信が欠落してしています。なので、桂木から「誰、お前?」と言われて、自分の存在を知られていないことがわかると、執拗にせまってくるようになるのです。桂木との関係が進展した後も、ありえないほどの電話の嵐(笑)。「私大丈夫かな?」「失敗しちゃった」とかなりの依存ぶりをみせてくれます。正直かなり重たい女性だと思うのですが、アニメではそのあたりもコミカルに描かれていますので、ストレスは感じません。ご安心を。
現実でやられたらたまったものじゃありませんが、外見の可愛さとアイドルの愛くるしさにすっかり撃ちぬかれてしまう事でしょう。
■新ジャンル。ヤンデレアイドル?
かのんは非常に危なっかしいキャラです。エピソードの最初の方で、桂馬の前でライブをしたり、話を無視するとスタンガンで攻撃してくるという異常行動をとってきます。まぁそれは駆け魂の影響が多分にあるのですが、本人にその要素がなければそういった形で発現することもないと思いますので、おそらく「ヤンデレ」の素質をもった娘であることは確かでしょう。
後半、桂馬に依存しはじめてからはとくにその傾向は強く出ていると思います。桂馬に関係を断たれたら、まともに生きてさえいけないのではないか?凶行に走っちゃうんじゃないか?と見ていてハラハラさせられるのです。そういった緊張を視聴者にあたえることによって、吊橋効果的に「かのん」というキャラクターにのめりこんでいくのではないかと勝手に思ってしまったりも・・・。
■でもやっぱアイドルはキュート
そういう危うい関係の末に、ライブの日を迎えるのですが、案の定かのんは直前で行方をくらましてしまうのです。桂馬が苦労の末にようやくかのんを見つけるのですが、その時のかのんのセリフが印象的です。
「わたしは、あなただけのアイドルになってもいいんだよ」と。
自分だったら、「よし!君の残りの人生というライブを一緒にry」などと、のたまってしまいそうですが、主人公はあえて、自分がいなくてもかのんは大丈夫だよと、みんなが待っているからと、前に進むように促します。そして、中川かのんは自分の道を進む決意をするのです。危ない危ないと見守っていた彼女が、力強く歩みはじめる姿をみて、より愛おしいと思ってしまうのです。
ライブの最後の曲「らぶこーる」を歌唱する彼女の歌声とその姿に、せき止めていた涙の最後の砦に止めをさされます。歌詞は、距離感を超越した愛の形を歌っていて、キュートでしっとりした歌声もあいまって、もう涙が止まらない名曲になっています。もはや気分はライブ会場の客席で全力でサイリウムをふる、一ファンになってしまうのです。
弱い面をもちながらも、最後に自分の道を歩み始めるまっすぐな中川かのんの姿には、きっと皆、すっかりやられてしまうと思いますよ。
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★記者:ラブドライバ(キャラペディア公式ライター)
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