『うる星やつら』の主人公と言えば?と聞かれたら、「ラムちゃん」と答える人が多いのではと思います。実際、このことに関したエピソードが、本編にもあり、ラムちゃん自身も「主人公はうちだっちゃ」とムキになるシーンもあります。正解は、そう「諸星あたる」です。
物語は、彼の物語として始まり、ライバルが「ラムちゃん」でした。「ラムちゃん」の魅力が先立って、「諸星あたる」の存在が忘れられそうになりますが、あたるもかなり魅力のある主人公なのです。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■丈夫
まず、あたるの魅力その1、それは丈夫なこと。ラムちゃんに電撃をくらい、テンちゃんに火あぶりにされ、しのぶちゃんに机をぶつけられ、さくら先生に往復ビンタをくらい、おゆきさんには氷付けにされ、弁天様には機関銃でぶっ飛ばされ、それでも、次の瞬間に不死鳥のごとく甦るあたるくん。時には凄まじい運動神経を見せ、面倒くんの真剣を白羽取りするあたるくんは“丈夫すぎる主人公”の先駆けではないでしょうか。この丈夫さがあってこそ、困難に立ち向かうカッコ良さを私たちに魅せていると思うのです。
■女の子へのたゆまない努力
あたるの魅力その2。それは、女の子へのたゆまない努力です。どんな女性でも、果敢にアタックし、ふられようがふられまいが諦めずにアタックします。諦めを知りません。その努力が実り、実際、ナンパはいくつか成功します。そのたびに、ラムちゃんの嫉妬を買い電撃をくらうのですが・・・。
また、女の子には非常に優しく時には身を呈して守ります。日頃は三枚目で描かれているあたるくんですが、実は結構モテるのでは?と匂わせる場面もいくつもあります。
■実は純情でツンデレ
実はあたるくんとラムちゃんが一夜を共にしようというエピソードがありました。結果的に営みはなく、本当に一緒に寝るだけで終わってしまうのですが、少し期待するあたるくんと、無邪気なラムちゃんが可愛いエピソードでした。しかし、高校生で恋人同志で、しかも、あれだけナンパしまくっているにもかかわらず、実はこんな純情な面があるというのは、良い意味でギャップがあって好感が持てるのではないでしょうか。
また、女の子にあれだけ、ナンパをしているにも関わらず、ラムちゃんに対する愛は本物なのですね。その証拠にバレンタインでラムちゃんにチョコをもらえなかっ事にすねたり(そのあと愛情たっぷりのチョコをいただけます。)、ハーレムを作っても、ラムちゃんがいないと、「ラムがいないハーレムはハーレムではない」と怒ったりもします。ラムちゃんには、時折つれないあたるくんですが、ラムちゃんを、しっかり愛してるあたるくんはツンデレの先駆けなのかもしれません。
純情でツンデレで丈夫で不屈の心を持つ諸星あたるくん。主人公の資格を充分に持っていると思います。まだ観てないという方はぜひ、稀代の名作『うる星やつら』をご覧になってみて下さい。
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★記者:光命(キャラペディア公式ライター)
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