『凪のあすから』は、陸に住む人間と海の中に住むことのできる人間たちが、お互いの環境の違い等によっていがみ合っていましたが、わかりあい、成長していくという物語です。少年少女たちの恋愛模様がこの作品の一番の見所ですが、何組かの恋愛模様があり複雑に絡み合っているので、その後の展開にハラハラする面白さがあります。後半では、海に住む人間たちが冬眠し、陸に住む人間たちと5年間の年齢の差が生じてしまい、ますます物語は複雑な盛り上がりを見せていきます。
そのキャラクターの一人である「久沼さゆ」。彼女は陸の人間ですが海の人間に恋をします。今回はそんな彼女の魅力をお伝えしたいと思います。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■やんちゃな元気っ子
彼女は第一部から登場しますが、その時はまだ小学生でした。耳年増で、どこでそんな情報を仕入れてきたのかと苦笑せざるをえないことも多々あります。しかも、微妙に間違っています。親友の美海に「ロリコン」のことを「ドリコン」と教えたのも彼女でした。「ドリコン」って、なんだか夢があるような、ないような名称ですよね。全国の「ロリコン」たちはこれからは自分たちのことを「ドリコン」と呼ぼう、と奮起したとかしないとか。
毒舌で、年上にも平気で喧嘩を売ってきます。そんな(本人の言葉を借りれば)ぶいぶい言わせている彼女は、重たい物語の中で笑いをもたらしてくれる貴重な存在でした。コミカルで可愛らしいのが彼女の魅力の一つです。
■不器用な素直さ
彼女が主人公たちの一生懸命作ったお船引きの人形を壊したことがありました。彼女としては親友の美海のためにやったことでしたが、事態は思いのほか複雑なことになります。そのことを、主人公たちのグループの一人の要に叱られてしまいます。意外にも、さゆはしてしまったことを反省し「ごめんなさい」と素直に謝るのでした。そんな実は素直という一面もまた可愛いのです。
おまけに自分を叱った要に一途な恋をしてしまいます。子供ながら一生懸命アピールするのですが、不器用なのでなかなか・・・というか全然伝わりません。「不器用素直可愛い」とでも言うのでしょうか、彼女の魅力のひとつです。
■一途な恋
二部になり、海に住む人たちが眠りについてしまい、自分の大好きだった要も行方不明になってしまいます。彼女は要のことを思いながら「女一人で生きていく」と決意します。中学生でありながらなんという言う決意でしょう。それだけ要のことが好きだったということの表れなのでしょう。
それから要が5年前と変わらぬ姿で発見され、彼女の恋にも変化が訪れます。今まで子供としか見られなかった自分と要が同じ年齢になったのです。しかし、彼には想い人がいました。そのことを知りながらも彼女は要のことを想い続けます。長く辛い日々が続きます。
踏切を挟んでの彼女の意を決しての告白シーンには、見ていて思わず涙がこぼれました。「ずっと私は見ていたから」という台詞は、本当に子供の頃から(まだ子供ですが)ずっと思い続けてきたのもあいまってとても感動的なものとなっています。その一途な姿は彼女の魅力をより引き立てるものとなっています。
この作品は5年間のキャラクターの成長があるので、大人になって成長している部分と、その中でも変わらない部分があり、皆とても深みのあるキャラクターになっています。その中でも、みゆは特に成長したキャラクターとして描かれています。そんな彼女の成長を見守りながら作品を見ると、「久沼さゆ」のさらなる魅力を発見出来るかもしれません。
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★記者:ラブドライバ(キャラペディア公式ライター)
(C)Project-118/凪のあすから製作委員会