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海底の地下を探索する地質調査の方法に、『地震探査』という方法があるそうだ。海底に大きな音波を放射して、その反射を調べることで地下の様子を視覚化し、資源などを調べるものだ。
それに対し、イギリスのバース大学が『アコースティック・ズーム(音響ズーム)』という新しい地質調査の方法を発表。より詳細のデータが収集でき、そして海洋生物への影響も少なくなるそうだ。
音の拡散で地質マップを描く
これは反射音は抑制し、その代わりに“音のエネルギーがどのように拡散するか”をもとに調査をする方法である。この音の拡散は価値のある情報を持っているにもかかわらず、これまでは捨てられていたデータだという。
この音の拡散データは、非常に詳細な地下の地質マップを描くことができるという。従来の『地震探査』では不可能だった、地層の中のひび割れや裂け目の微細な違いを描くことができるのだ。
![Acoustic-zoom-diagram-e1419332518662](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/01/Acoustic-zoom-diagram-e1419332518662.jpg)
音のエネルギーは小さくていい
それだけではない。従来の『地震探査』は破裂的な大きい音を連続で出す必要があった。これは海の生物に対して悪影響を与える。
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しかし、この『アコースティック・ズーム』は、『地震探査』よりもずっと低いレベルで、かつ周波数の高い音を使用する。この方はイルカなどの海の生物への悪影響が少ないという。
研究者のひとり、Guigné教授は「アコースティック・ズームは、反射音ではなく音の拡散を分析するものですが、拡散する信号は非常に弱いものであるため、扱うのが困難なものでした。例えていうなら、夜中に運転しながらヘッドライトの光だけを頼りに、対向車の運転手の顔にピントを合わせるようなものです」という。
そして、「この技術によって、石油産業が不必要なボーリング調査(地質調査)を回避するようになったり、海中調査の際の環境への影響を減らせるようになることを臨んでいます」とも語っている。
海の生物のために開発された技術ではないだろうが、環境への悪影響が少なければそれに越したことはない。テクノロジーの進化は必ずしも人間のためだけのものではないのだろう。