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バイオベンチャーのユーグレナ社が、ミドリムシを利用したバイオディーゼル燃料の実用化を目指していることをFUTURUSで以前にも取り上げた。
同社は今、ミドリムシをジェット機の燃料に利用しようとしている。サイトには以下の様に記されている。
ミドリムシ燃料で環境に配慮して、ジェット機が世界中の空を飛ぶ。夢物語と思われるかもしれませんが、そう遠くない未来に実現したいと本気で思っています。
実際、ミドリムシから抽出・精製されるオイルは軽質であるため、他の植物微細藻類に比べても、よりジェット燃料に適しているのだという。
ミドリムシのジェット燃料としての優位性
ミドリムシは非常に有望なバイオ燃料となる。
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最も大きなメリットは、サトウキビやトウモロコシなどの現在メジャーなバイオ燃料は、本来食料とすべきものを燃料として使用しているため、貴重な農地の取り合いになっており、また、食料の価格を高騰させてしまう原因になっている。
しかし、ミドリムシではこのような食料との競合が起きない。ミドリムシは農地に適さない土地での生産が可能だからだ。
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しかも培養プールでの大量培養ができるため、効率的な工業生産が可能になる。また、他のバイオ燃料に比べて、遙かに敷地面積あたりの油脂生産性が高いのだ。
さらに、今後は航空機の二酸化炭素排出規制が強化されると予想されている。
ここにミドリムシを利用すれば、ミドリムシから精製されたバイオ燃料使用による二酸化炭素は、もともと空気中に存在していた二酸化炭素をミドリムシが光合成のために吸収していたものなので、総量としては増加しない。
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他にも、ミドリムシの油脂は他の微細藻類に比べて、よりジェット燃料に適しているという特性がある。ジェット燃料に使われる灯油の脂肪酸は炭素数9〜15だが、多くの微細藻類から生成される油脂の脂肪酸は炭素数が16以上なのだ。
しかし、ミドリムシから生成される油脂の脂肪酸は炭素数12〜16を多く含んでおり、ジェット燃料により近くなる。
ミドリムシのジェット燃料化は近い
2014年3月に定期航空協会が発表した「バイオジェット燃料の動向“加速する世界の動きと日本のこれから ”」によれば、全世界で排出される温室効果ガスの2%が航空分野から排出されているという。
そして国連のIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change : 気候変動に関する政府間パネル)は、航空のCO2排出量が2050年には現在の2〜5倍に達すると予測しているのだ。
このCO2排出量の増加を抑制するには、航空機側の燃費を向上させるという努力も必要だが、やはりバイオ燃料の導入が必要とされている。
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ユーグレナ社がJX日鉱日石エネルギー、日立プラントと共同で研究を進めているバイオ燃料の実用化は2018年度を目標にしているため、かなり期待できるのではないだろうか。
ミドリムシが航空機を飛ばすエネルギーとなる日は近い。