果たして『Fate/Zero』のヒロインは誰なのか?という談義をすると、セイバーやアイリスフィールを挙げる人が多い中、男性である「ウェイバー・ベルベット」の名を挙げる人が一定数存在します。「男がヒロイン?女装でもしてるのか?」と思う方も多いと思いますが、そういうわけではありません。では、どういったところがウェイバーを「ヒロイン」と呼ばせる所以なのでしょうか?
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■身長157cm、体重50kgの19歳
まず、ウェイバーのヒロイン性は、女性並みに小柄なその体格です。157cmという身長は『Fate/Zero』の登場人物の中でもトップレベルに小さく、公式にプロフィールが発表されているキャラクターの中で、彼より小柄なのは外見年齢が15歳程度の少女・セイバー、小学生の遠坂凛と間桐桜、そして何百年も生きているという老人の間桐臓硯のみです。しかもウェイバーは生粋のイギリス人。本人も小柄な体格を気にしている節があり、「背丈を30cmほど伸ばせ」とライダーに言われた際にはムキになるシーンも・・・。
■実力はないけれど自信はたっぷり
ウェイバーの魔術師としての実力は、『Fate/Zero』に登場するマスター陣の中でもかなり低めです。これは血筋が重要視される魔術師の中で、ウェイバーの家系がまだ浅い血筋であることも関係しているのですが、本人からすればそんなことは関係ありません。プライドの高いウェイバーは「自分をバカにしてきた連中を見下し返す」という願いのもと、聖杯戦争に参加するのでした。
■主従を越えた絆
ストーリーが進むにつれ、ウェイバーは自分の弱さと自分には有り余るライダーの強さを、否が応にも思い知らされる場面が出てきます。そのつど諦めずに立ち上がり続けてきたウェイバーでしたが、ある時マスターとしての権限を放棄。それまで共に戦ってきたライダーに対して「どこへなりとも行っちまえ」と冷たい態度を取ってしまいます(これは「自分がマスターだとライダーは勝てない」と考え、ライダーに聖杯を取らせたいと思うがゆえの行動でした)。しかし、ライダーはウェイバーをマスターとしてではなく、共に戦う朋友として受け入れます。ここからアーチャーとの最終決戦に臨む一連の流れは、涙なしでは見られません。
さて、ここまでウェイバーのヒロイン性について触れてきました。しかしながら圧倒的な力を持つアーチャーの前にライダーが敗れ、自身もまた殺されるかもしれないという状況の中で、決して怯まなかったその姿はまさに男でした。「お前が真の忠臣であるなら、亡き王の仇を討つ義務があるはずだが?」と問うアーチャーに、震える声で「お前に挑めば僕は死ぬ。・・・それはできない。僕は生きろと命じられた」と答えるウェイバー。『Fate/Zero』の中で、もっとも精神的に成長したキャラクターなのかも知れません。
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★記者:凛廻(キャラペディア公式ライター)
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