中谷美紀×神野三鈴が1人2役の二人芝居、16世紀の女王描く『メアリー・ステュアート』

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2015年01月26日 12:20  CINRA.NET

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『メアリー・ステュアート』メインビジュアル
舞台『メアリー・ステュアート』が、6月13日から東京・渋谷のパルコ劇場で上演される。

『メアリー・ステュアート』は、フリードリッヒ・シラーによる同名作品の翻訳として、イタリア人作家のダーチャ・マライーニが発表した戯曲。スコットランド女王のメアリー・ステュアートとイングランド女王のエリザベス1世という、16世紀に同じ島に生きた2人の女王を描いた作品となる。日本でもこれまでに何度か上演されており、2005年には南果歩、原田美枝子が出演し、宮本亜門演出のもとで上演された。

同作は、メアリー・ステュアートとその乳母、エリザベス1世とその侍女という4人の登場人物を2人の役者で演じる二人芝居。生後6日目にスコットランドの王位を継承し、国や宗教に翻弄されながら「女」として強く生きたメアリー・ステュアートと、エリザベスの侍女の2役を中谷美紀、政治にまつわる男女間の諍いを嫌い、「国家」と結婚したと言われるエリザベス1世と、メアリーの乳母の2役を神野三鈴が演じる。

なお同作は、東京公演終了後、大阪、広島、名古屋、新潟でも上演される。

■中谷美紀のコメント
今回はステージの上にはたった二人だけですから、掛け合いの妙をお客様に楽しんでいただくためには、寸分の隙も許されません。大変な作品と出会ってしまったというのが今の正直な気持ちです。
女王というポジションは、われわれ市井の人間とは異なった特殊なもの。とはいえ、女性が人の上に立つということでいえば、会社を営んだり、あるいは部署を司ったりということで、彼女と同じ立場にいる女性も多いと思います。そしてその中で、自分の意志だけではなにも決められない、という経験のある方も少なくないのでは。そのもどかしさは、メアリーと現代の女性たちが共通して感じる部分だと思っています。
メアリーは、人の上に立つ者であるにもかかわらず、感情に流されやすく愚かな部分もあって、そこが魅力的でもある人物です。エリザベスのように冷静で、自制心をもって国を治める人間と異なり、彼女はその場の感情に流されている。その二人の対比を楽しんでいただきたいですし、対照的でありながら、ともに気高い女王たちの物語を全身全霊で演じたいと思っています。

■神野三鈴のコメント
中谷さんと一緒に二人芝居を、という話をいただき、しかもそれが『メアリー・ステュアート』。演劇史に残るような作品を、大好きな女優さんとご一緒できるなんて奇跡のようです。二人だけで、純粋に作品に取り組む環境を作っていただき、演劇を志した頃の夢が叶いました。
私たちはみんな、なにかの役割を演じて生きている。その中で常に選択をし続けなければいけないという部分があると思います。また、その選択に対する覚悟も求められる。この作品では、その一つひとつにもがき苦しむ人間の姿を描きたいですし、彼女たちが女性ゆえに豊かになれたこと、踏みにじられたことの両方が浮かび上がると思います。
また、エリザベスの人生を演じることで、彼女が抱くものを昇華させてあげられたら、それが、私たちすべての女性の中にあるなにかを昇華させることに繋がったらうれしい。
そして、女性ならではの苦しみや幸福、葛藤を一緒に感じていただければ。舞台という生身の人間が立つ場で、中谷さんと私が魂でぶつかり合う姿を見届けていただけたら幸せです。
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