『夏目友人帳』は人にあらざるもの、つまり「妖怪」と言われるものの類との関わりを題材にした作品です。その登場人物のひとり「名取周一」は、代々妖怪退治を生業とする家系に生まれました。主人公の夏目とは、ある事件をきっかけに交流をするようになります。事件を解決する度に自身の思っていた結果と(良い意味で)違った結末をもたらす夏目に、次第に新たな可能性を認めるようになっていきます。今回はそんな「名取周一」についてです。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■表の顔と裏の顔
「名取周一」の表の顔は、今売り出し中の人気俳優。TVCMやドラマで活躍中です。一方で、裏の顔は妖祓いを生業とする祓い師で、その力は祓い屋の世界では知らないものはいないと言われるほど。札や陣を使っての封印や結界で妖怪に対抗しますが、度々その力が及ばないこともあり、夏目に助けられる場面も・・・。
■かつて抱えていた葛藤
自分には他人に見えないものが見える。夏目が幼少期に味わった周りからの差別感や孤独感を、名取も同じような境遇で感じながら育ってきました。そして、妖怪という存在に対して名取が出した結論は、妖怪はすべて人間の敵だということ。幼少の頃に、“妖怪が見えることで親が死んだ”と身内から責められた事が、その考えに至った根本にあるようです。
■使役する式たち
柊(ひいらぎ)は、名取が幼少期に出会った妖怪で、家の蔵を守るように縛られていました。名取が祓い人として蔵を訪れますが、事前に柊と名取の関係を知っていた夏目が割って入ったことにより、完全に祓われることなく縛っていた封印だけを壊すことに成功します。以後、柊(ひいらぎ)は名取の式として使えるようになりました。その他にも、笹後(ささご)瓜姫(うりひめ)といった、紙人形を媒体とした式を使役しています。
■ヤモリの形をしたアザ
幼少期に名取の体に現れたアザで、その正体は妖怪であると名取は語っています。実害がないのが逆に怖い、というほど不気味に体中を動き回りますが、なぜか左足には決して行かないといいます。謎が多いアザですが真相は不明のまま。ミステリアスですね。
作中を通して、夏目とは同じ風景が見える友人として接し、夏目自身も妖怪絡みで話せる数少ない友人の一人として見ています。妖怪への考え方に対して度々衝突することもありますが、「君はかつて自分が諦めた選択肢を選べるかも知れない」と、夏目の考え方を闇雲に否定せず、それでいて自身の考えも貫く姿勢をみせています。『夏目友人帳』という作品において、決してかかせない名キャラクターのひとり「名取周一」。ぜひ、作品を観て、彼の魅力をご堪能下さい!
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★記者:もんきち(キャラペディア公式ライター)
(C)緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会