テンポの良いギャグとセリフ回し、見ていてニヤニヤしてしまう甘いラブコメ要素で、あっという間に話題をさらった『月刊少女野崎くん』。癖のあるキャラクターたちが多数登場する中で、比較的まともそうに見えていたのが、今回紹介する「堀政行」です。良識ある年長者として登場した彼ですが、やはりそこは野崎くんキャラクター。後輩・鹿島が絡むと豹変し、容赦のない制裁を加えるバイオレンスキャラと、なんだかんだで鹿島を気に入っている親バカキャラという極端な二面性を持っています。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■芝居が上手くて、手先が器用。頼れる部長は大きな小人!
掘は高校三年生、主要キャラクターの中では最年長にあたります。面倒見が良いので後輩の相談に乗ることもしばしば。主人公たる野崎とは、彼の漫画制作に協力し、自分は芝居の台本を得るという、ギブアンドテイクの関係にあります。手先が器用で空間認識能力が高い為、先の面倒見の良さもあってか、野崎は自分が苦手な漫画の背景を、堀に任せています。
また、堀という男を語る上で外せないのがその演技力。鹿島をも魅了した堀の芝居は、多くの人の心を惹き付けます。しかし、伸び悩む身長のこともあり、出演者としてではなく大道具の担当となりました。小柄ながら力仕事をこなし、部長として皆をまとめ、演劇部を陰に日向に支えています。こんな、部の内外で頼りになる堀はきっと、とても有能な社会人になるでしょうね。こんな上司が欲しいです。
■後輩たちに振り回される日々!
いくら頼りになるとはいえ、頼りすぎは考えもの(特に野崎)。背景作画に協力するだけならまだしも、時として野崎の行きすぎた情熱と、時おり見せる謎のいい加減さに面食らうこともあります。そして何より、同じ演劇部の後輩、鹿島の存在。隙あらば部活をサボり、稽古中に鹿島目当ての“女子”が乱入する始末。
そんな後輩たちのオイタやボケには、容赦なくキレの有るツッコミをかましてくれます。堀のツッコミによってギャグのテンポが良くなり、これが『野崎くん』という作品の魅力に繋がっているんですね。
■なんやかんやで、鹿島(の顔)が大好き。まさに親バカ!
掘の芝居を見て入学を決めたというほど、堀を慕っている鹿島。彼女の勘違いに振り回される苦労人の堀ですが、堀は鹿島が輝いていれば幸せなご様子。何しろ、被り物で「鹿島の顔が見えなくなる演劇」に耐えられないくらい、堀は鹿島の顔が大好きなのです。
主人公に鹿島を配役するのも、本人の実力と容貌が在ればこそ。堀は自分ではなく鹿島を主役として輝かせる事に情熱を注いでいるのでしょう。だから部活をサボる鹿島に容赦ない制裁を加えるという訳です。その辺りの気のかけ方や、「ウチの鹿嶋なら〜」といった発言から、堀は鹿島に対して親バカであると周囲から認識されています。この親バカっぷりこそが、普段は良識人としてツッコミに回る堀を、魅力的なボケキャラにしたてあげるのです。
主に蹴りをかましてくるバイオレンスなツッコミと、親バカ由来のボケという二極の属性を持った堀。彼の存在が野崎くんというアニメをより一層、魅力的にみせます。そしてやはり、彼と鹿島とのやりとりは見ていてニヤニヤします。早くくっついてしまえば良いのに。
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★記者:羽野源一郎(キャラペディア公式ライター)
(C)椿いづみ/スクウェアエニックス・「月刊少女野崎くん」製作委員会