育児疲れ軽減へ 知っておきたい地域の支援制度

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2015年02月22日 13:00  JIJICO

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JIJICO

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育児疲れの蓄積は、時に子どもの命を奪ってしまうことも


千葉県柏市で36歳の母親が我が子を殺害してしまう悲痛な出来事がありました。「育児疲れ」が背景にあったといわれています。子育て経験者の大半が通る育児疲れ。その蓄積は、時に子どもの命を奪ってしまうことさえもあります。これは決して他人事ではありません。


育児疲れが極限に達する前に、さまざまな支援を受けることは保護者にとっても子どもにとっても必要なことです。


育児疲れを軽減するには、まずは親族の力を借りる


「育児に関する支援」というと、利用に至るまでの経緯が複雑と思う人もいるでしょう。しかし、必ずしも公的なサービスだけではありません。


そういった意味では、最も身近な育児サポートは「親族の助け」ではないでしょうか。ストレスが極限になった時、相談に乗ってくれたり育児を手伝ってくれたり、最も頼りになるのはやはり親族です。育児疲れを軽減するには、まずは親族の力を借りるというのは、いつの時代でも大切なことだと思います。


ファミリーサポートセンターではニーズに応じた対応をしてくれる


一方、第三者の力が必要なことがあります。特に、親族が遠方にいる場合は、頻繁に頼るのも難しいでしょう。そのような時は、住んでいる地域が実施している公的・民間サービスを積極的に活用することをお勧めします。特にファミリーサポートセンターは全国で738市町村が取り組んでいる事業です(平成25年度実績)。子どもの送り迎えや一時預かりなど、サポートしたい市民と子どもを預けたい市民のマッチングを行政が行い、ニーズに応じた対応をしてくれます。病気の子どもの対応をしてくれることもあり、共働きの世帯にとってはありがたい制度といえるでしょう。


また、出張、冠婚葬祭などで数日間、家を空けざるを得ない場合は、子育て支援短期利用事業を活用すれば、短期間児童養護施設などで子どもを預かってくれます。このような事業は市町村の任意事業なので、自分の住んでいる市町村で行われているか事前に確認が必要です。


地域の親子クラブの利用で心に余裕が生まれる


育児に関するストレスは、不安や悩みなど、保護者のメンタル面が起因となることもあります。そのような時は、地域の親子クラブなどを利用してください。地域によってバラつきもありますが、概ね週1回〜月1回の交流会が公民館などで行われ、保護者同士の情報交換や気分転換の場にもなっています。互いに子どもの成長を見守る中で、心に余裕も生まれ、また、親族とは違った立場からのアドバイスは子育ての視点も広がります。


育児を支えてくれる人たちは必ず私たちの周りにいます。他者の力を借りることによって保護者の育児負担を軽減するだけでなく、さまざまな人と子どもが接することにより、子どもにとっても貴重な経験となります。もちろん、任せきり、頼りっぱなしというわけではなく、必要な時に必要な手助けを借りることが大切です。



(中原 崇・社会福祉士)

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