12倍も早く治る!? 美容技術「フラクショナルレーザー」が古傷治療にも有効

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2015年03月03日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

「傷は男の勲章」などと言われることもあるが、幼いころ、何かの拍子に付いてしまった傷のひとつやふたつは誰しもあるのではないだろうか? ものによっては時に痛み出し、当時の記憶が蘇ることもある。

懐かしい思い出ならまだよいのだが、顔に負ってしまった傷や、手術などで生活に支障をきたしてしまうような傷ならば、なんとかして治したい。

今、美容業界のとある技術がそういった“傷の治療”に役立つということで注目を浴びている。

点状の照射するフラクショナルレーザー治療

傷とは本来、怪我をした後に、また病院で手当てを受けた後に残る、いわば“治療の跡”なのだ。だが、その傷が後々になって私生活に支障をきたす原因になってしまう人も少なくないのだという。

治療の跡を治療する。こう考えるとちょっとおかしな話にも聞こえるが、「肌を綺麗にしたい」という共通の目的で、今美容業界の“フラクショナルレーザー”という技術が大変注目を浴びているそうだ。

フラクショナルレーザーとは、肌に向かってレーザーを点状に照射して皮膚に小さな穴を開け、熱を加えながら肌の再生を行うというものだ。ピンポイントで照射してシミを治療したり、全体にあてる美顔器のようなタイプよりも効果の高い美容法として人気が高い。

あえて小さな傷をつけることで再生を促す

米国皮膚学会誌(AAD)によると、無数の小さな傷をつけることで、周りの健康な皮膚がその再生力で傷跡を均一に治そうとする働きが起こるのだという。りんごのような果実にあえて傷をつけ、甘みを出させてから食べる人もいるが、人間の皮膚にも同じような現象が起こるようだ。

また、米マイアミ大学のジル・S・ワイベル氏とその研究グループが行った実験では、傷の治療には通常1年ほどかかるところ、3ヶ月から早いもので1ヶ月ほどで治療が完了してしまうという。実に4倍から12倍の早さだ。これは、皮膚が持ついくつかの層に対してより深い部分にもレーザーが届き、そこからコラーゲンなどの分泌を促進させることが可能だからだそうだ。

逆に考えると、治りにくい傷や時間が経ってもズキズキと痛むような傷は、皮膚の深い部分でコラーゲンが損傷しているから、ということである。

さらに、このフラクショナルレーザーを使った治療法なら、特別な薬を投与する必要がないため、ニキビや着色変化といった症状への治療にも応用が期待されている。

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