「仲村ゆり」は、自身の歩んだ壮絶な運命を認めたくないという思いから、死後の世界に迷い込んできました。裕福な家庭の長女として生まれた彼女は、兄弟たちと何不自由なく暮らし、面倒見のいい姉として兄弟からも慕われていましたが、ある日突然強盗に襲われてしまいます。幼い兄弟たちは命を落としてしまい、そんな理不尽な現実を受け止めきれないまま彼女はここにいるのです。彼女の行動理念は、そんな運命を強いた神に抗うことにあります。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■死んだ世界戦線の結成
神に抗うことを目的として、この世に未練を残して死んでしまった人間たちを集め、彼女は“死んだ世界戦線”を結成します。
立華かなでの特殊な能力を間近で見たことにより、常識では考えられない能力の持ち主、すなわち“天使”、神の使いとして認識し、以後当面の敵として敵対することになります。しかし、あるミッションを経て、彼女は天使が実は自分たちと同じ人間なのでは?と思うように。次第に自分の向かう先が何なのか、自問自答するような表情を時折見せており、リーダーとしての彼女の苦悩も垣間見ることができます。
■状況を冷静に分析
「私たちの弱点はアホなこと」、そうはっきり言い切るほど、彼女は冷静に自分たちの欠点を見抜いています。彼女自身も冷静に物事を見極める能力は持っているものの、時に理知的な見た目とは裏腹に、奇抜なミッションをメンバー達に課すことも・・・。どうしたら神へ近づく糸口が掴めるか?その一点を突き詰めていく中で、通常の考えでは及びもつかないアイデアをもたらしているのかもしれません。
■ずば抜けた身体能力
死んだ世界戦線のメンバーの中で、天使(かなで)との接近戦が可能なのはごくわずか。メンバーのほとんどが銃による中遠距離からの攻撃がメインになります。そんな中、ゆりは身体能力を強化した天使と接近戦が出来る数少ないひとりです。とは言え、長期戦ではジリ貧となってしまうことをゆり自身も理解しているので、銃が効かない状況、さらに時間稼ぎが必要な状況に限っているようです。
ミッションにおいて、何度かサバイバル状態に陥った時でも、驚異的な身体能力で最後まで切り抜けています。
■仲間への想い
「私は私の好きなようにするだけよ」と言いつつも、そのカリスマ性から彼女を慕う者は多く、その言葉とは逆に、彼女の行動が仲間のためであることがその理由でしょう。決して死なないこの世界では、「遅れたものは置いていく」が彼女の主義であり、それが目的完遂のためであることをメンバーが理解しているからこそ、時にメンバーそれぞれが盾になり他のメンバーを生かすような行動がとれるのでしょう。
最後にゆりは、自らを縛っていた心の葛藤を解消します。自分を慕ってくれた仲間たちと過ごした時間がその結果を生んだのだと、後に音無は語っています(AnotherEndにて)。かつての兄弟たちと同じように、仲間たちを守ろうとしていたからだと自身で気づくわけです。一体彼女はどんな気持ちで来世へと向かっていったのでしょうか。是非、ご自身の目でお確かめ下さい。
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★記者:もんきち(キャラペディア公式ライター)
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