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トヨタが燃料電池自動車(FCV)『MIRAI』を昨年12月15日に発売、ホンダも2015年度内のFCV発売を予定するなど、水素で走るクルマが現実のものとなった。
次世代エコカーはFCVだけでなく、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)など選択肢が増えてきているが、結局選ぶべきはどれなのか?
2020年以降にFCVの普及が本格化
政府は2015年度内に4大都市圏を中心に100ヵ所のFCV用水素ステーション設置を目指しており、2月24日には経済産業省主導でインフラ整備の加速を目的にした全国自治体との連携会議がスタート。水素ステーション設置に必要な審査期間の短縮やセルフ充填方式の実現など、運用コスト低減に向けた取組みが進んでいる。
元々FCVは1回の水素満充填で400〜500km走行できるガソリン車並みの実力を備えているが、都市圏でインフラが整えば10〜15分程度の走行で水素ステーションに到達することができるようになる。
水素の価格についても1kgあたり1,000〜1,100円で販売が開始されており、『MIRAI』の場合水素5kgで満充填となることから、同クラスのガソリン車並みの燃料代で走らせることが可能だ。
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FCV購入に際しては国からの補助金202万円に加え、都府県でさらに100万円の補助金を上乗せする動きが出ており、実質400万円程度で『MIRAI』が購入できる見通し。
![TOYOTA_MIRAI](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/mir1411_25-690x288.jpg)
ただ複雑な構造から生産台数がまだ少ないこともあり、既に納車までに長い期間を要する状況が起きている。今後安価で魅力的なFCVが登場すれば、2009年の3代目プリウス発売以降に発生したような長い納車待ちを強いられる可能性も。
いずれにしても、インフラ整備進展や車両・水素低価格化の動きから、普及の本格化は東京五輪が開催される2020年以降と予想されている。(2020年:約5万台、2025年:約20万台、2030年:約40万台)
現実的な選択肢としてのPHV
FCVは水素を燃料にしてはいるが、FCスタックで発電してモーターで走行する点ではEVの仲間だ。
現時点でピュアEVは航続距離の実力が100km前後と短いことや充電時間の長さが課題となり、駆動用バッテリーの革新待ちの状態だが、プリウスPHVをはじめとするプラグインハイブリッド(PHV)車の場合はガソリンエンジンの併用により、十分な航続距離と約30〜60km程度のEV走行が可能。日々の通勤程度ならEV走行で賄える性能を持っている。
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![TOYOTA_PRIUS_PHV](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/TOYOTA_PRIUS_PHV-690x401.jpg)
国内におけるPHVの課題としては、HVが広く普及したことでFCVのような“スペシャル感”が薄いことや、HV比でバッテリー増量による車両価格の高さが相対的に目立つ点。しかし、補助金の活用や、EV走行距離を上手に活用すれば、価格差を埋めるメリットを享受できる使い方も可能だろう。
さらに、欧州勢はPHVを今後のエコカー開発の主力に位置付けており、グローバルな視点では米カリフォルニア州のZEV規制強化の動きからもHVの進化版であるPHVをこれまでよりもリーズナブルに開発しておく必要がある。
余談だが、欧州勢はPHVの良さを併せ持つ充電可能なプラグインFCVを開発しているとの噂も。
ガソリン車のエコカー免税額が縮小する?
今春に予定されているエコカー減税見直しにより、多くのガソリン車で自動車取得税や自動車重量税の免税額が大幅に目減りする見通しのなか、HVやPHVは引き続き100%免税が継続される見込みだ。
今後はPHVとFCVがエコカーの双璧となり、直近5〜10年ではPHVが、そして、最終的にはFCVが主流になっていくものと予想される。こうした状況を踏まえ、あなたが今後クルマを乗換えるなら、PHVとFCVのどちらを選ぶ?
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