待ったなし!気候変動が加速していることを示す研究結果が公開

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2015年03月19日 20:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

現在、地球温暖化の進行が将来への課題として取り沙汰されており、国際協調のもと、今後一層の取り組みを進めていく必要がある。いっぽうで、気候の温暖化や寒冷化は歴史上繰り返されてきたもので、近代の人間の活動とは直接的な関係が見いだせないとする立場もある。

しかし、気候変動に関する専門誌に掲載された最新の研究によると、ここ数十年で地球上に起こった気候変動は、歴史的な水準よりも速く進み、さらにそのスピードをあげているという。

米エネルギー省の研究機関であるPacific Northwest National Laboratory(PNNL)のスティーブ・スミス氏と、PNNLとメリーランド大学カレッジパーク校がコラボする気候変動問題の専門研究所Joint Global Change Research Instituteのメンバーが、研究で明らかにしている。

40年スパンのデータを利用

研究では40年という1世紀よりも短いスパンで区切ったデータを用いて気温の推移を分析。全体的に見て、温室効果ガスの増加によって地球が温暖化傾向にあるというのが専門家の一般的な見解だが、上昇ペースは長期間一定ではない。

この点に短いスパンの分析が求められる理由がある。自然界の気温変化はこれまでも研究されてきたものの、気温がどのように急速に変化するかはあまり理解されてこなかったということだ。

自然現象として起こる幅以上の変化率

スミス氏らは分析にあたり、世界各国の気候モデルを比較する『気候モデル相互比較プロジェクト(Coupled Model Intercomparison Project : CMIP)』という枠組みを採用。世界各国の研究機関が登録した、地球の気候を再現し変化をシミュレーションする数理モデル『全球気候モデル(Global Climate Model : GCM)』の結果を相互比較する枠組みで、信頼性が高い手法として知られている。

気候変動 気温上昇 ペース

研究チームはまず、記録を取り始めた1850年から1930年のあいだの急速な気温変化を計算し、氷床コアや木の年輪といった自然情報から再現された過去2,000年間と比較した。この時期は地球の平均気温の上昇があまり見られず、自然の変化によるわずかなものだったという。北アメリカとヨーロッパでは変化率が10年あたり0.2度程度上下していたが、この数字は自然からの再現データとも近くなっている。

いっぽう、1971年から2020年では、同地域で10年あたり約0.3度の変化率だったことが判明したが、これは自然変動で計算される率を上回っている。CMIPモデルは、現在地球上の大部分の地域が自然によってもたらされる以上の変化率だということを示しているのだ。研究チームはさらに、気温の変化率が将来の温室効果ガス排出のシナリオにどのように影響を受けるかも調査。次の40年では、すべてのケースで気候変動が加速するという結果が出たということだ。

今回の結果は、人間の排出する温室効果ガスが温暖化に影響していることを明示している。急速な気候変動が地球や人間に与える影響については、専門家の間でも明確な意見の一致をみていないが、今後私たちひとりひとりが主体的に考える必要のあるテーマではないだろうか。

このニュースに関するつぶやき

  • 昔は100年カレンダーというものがあったらしいので、40年ではなく100年で区切った方が良さそうなのに、何か不都合なことがあるのかしら。
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