フレームがもはや彫刻!自分のためだけにオーダーできるアートな自転車

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2015年03月21日 17:30  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

近年は3Dプリンターにかぎらず、加工技術の進化が著しい。特に、コンピューター制御でカットや切削が可能な設備が充実すると、従来のような鋳物やプレスによる大量生産でなくても比較的低コストでの部品の製造が可能になり、オーダーメイドで作られる製品の価格を下げられるようだ。

これはヨーロッパのElevenTwentySevenというメーカーだが、寸法を指定することで、自分にだけマッチした自転車を製造してくれるサービスを開始した。それも驚くべき特徴を備えている。メインフレームがもはや彫刻なのだ。

レーザーカットで部品を作る

実際のところ、この彫刻に機能はない。この自転車の先進性と独創性をアピールする装飾といったところだ。むしろただの丸パイプよりは強度が落ちるので、それをカバーするために太くて肉厚のパイプを材料としているくらいで、軽量になるわけでもない。

この自転車の最大の特徴は、ステンレススチールの部品をレーザーカットで加工していることだ。従来の加工方法に比べて一品ものの製作がやりやすい。パイプそのものにカットによる彫刻を施すことだって簡単にできる。

Erembald03

この自転車を製作しているのは、金属加工の機械を扱っているベルギーの会社だ。実は、当初は角パイプをレーザーカットしてトラス状にすることで、軽量化ができないかと思ってスタートしたアイデアらしい。しかし、結局カーボンフレームより軽くすることはできなかった。

しかし、その研究途中で、レーザーカットによる部品を使ったスナップ接合やパラメーターによる設計は、自転車の製造をより柔軟かつスピーディにできることがわかったという。オーダーメイドで自転車を作っても、特別にコストが上がるようなことはなくなるのだ。

すべての部品はパズルのような形で加工機から出てきて、溶接の前に容易に組み上げることができる。その製造プロセス自体がイノベーションになったというわけだ。

Erembald02

最初のモデルは50台限定

このメーカーの最初のモデル『Erembald』は50台限定で作られる予定だ。注文者は、股下の長さ、首から股までの長さ、腕の長さ、肩幅をミリ単位で伝えて製作してもらう。

この自転車はステアリングステムもシートポストも持たない。ハンドルの高さ、シートの高さは固定式だ。完全にオーナーに合わせた寸法で作られるために、調整機構を必要としないからだ。また、フレームにはオーナーの名前を彫り込んでくれる。重量は12kg前後だという。

[vimeo 121194557 w=690 h=388]

まだ発表されていないが、『Erembald』につづく2nd、3rdモデルも計画されているようだ。残念ながらヨーロッパ内にしか発送してくれないようだが、価格はフルキットで1,600ユーロ。フレームだけのオーダーもできる。オーダーメイドでステンレス製の自転車を作ってもらえると考えたら悪くないのではないだろうか。

今回は自転車の話題だが、製造技術、加工技術がフレキシブルになれば、今後は様々な工業製品をあまりコストをかけずにオーダーメイドで作れるようになっていく可能性がある。テクノロジーの進化は必ずしも“みんなが同じモノ”という方向に向かわせるわけではないのだ。

このニュースに関するつぶやき

  • 一点物だと盗まれてもすぐに分かっていいかもw
    • イイネ!1
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