「父をいまでも愛している」オウム麻原死刑囚の「三女」が語った複雑な思い

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2015年03月21日 21:21  弁護士ドットコム

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オウム真理教による「地下鉄サリン事件」からちょうど20年となる3月20日の夜、麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚の三女、松本麗華さんがインターネット動画サービス「ニコニコ生放送」の番組に出演した。


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松本さんは、地下鉄サリン事件当時、11歳。「アーチャリー正大師」と呼ばれて、オウム真理教の後継者と目されていたが、ちょうど、反抗期に差し掛かっていた時期で、「家出して旅しようと思っていたときに、警察の強制捜査があった」のだという。



聞き手となったジャーナリストの田原総一朗さんから「あなたにとってオウム真理教はなにか?」という質問を受けると、松本さんは「私にとってオウムは、宗教的な要素がある町。その中で生活をしていただけなので」と答えた。また、現在は教団を離れているといい、「宗教活動については今のところ興味はない」と話した。



●「守ってあげないといけない赤ちゃん」


そんな松本さんにとって、父・麻原死刑囚はどのような人物だったのだろうか。松本さんは「どっしりとして大きく、やさしかった。(オウムという町の)町長さんという感じでした」と話す。しかし、教団が大きくなっていくに連れて、「おかしくなった」のだという。



松本さんは、麻原死刑囚が収監されてから計28回も面会した。「一度もまともなコミュニケーションがとれなかった」そうで、収監されている麻原死刑囚は「こわれてしまっている」という。しかし、そんな父のことを松本さんは「今でも愛している」と話した。



田原さんが「ずっとお父さんを愛しているのか?」と聞くと、松本さんは「複雑な思いを持っていた。こわれる前は『包み込んでほしい』と思っていた。今は『守ってあげないといけない赤ちゃん』みたいな気持ちです」と語った。



●田原氏「なんで、そんな危険なことを敢えて言うんですか」


一方、父への愛情を隠さない松本さんと違って、「麻原死刑囚の死刑を早く執行してほしい」という妹(四女)について尋ねられると、「コメントを控えさえてください。妹が苦しんでいることはたしかです」と述べるにとどまった。番組で「娘が父の死刑を望むことは?当然?間違っている?」という視聴者アンケートを実施したところ、「当然」が63.1%、「間違っている」が36.9%という結果が出た。



これを受けて、田原さんは「妹さんよりあなたのほうが危険なことを言っているわけね。死刑執行はみんなに理解されやすいと思う。なんで、そんな危険なことをあえて言うんですか」と気を使いながら問うと、松本さんは「父を愛していると言葉に出す人が世界中にいないからです」と静かに答えていた。


(弁護士ドットコムニュース)



このニュースに関するつぶやき

  • 複雑ではあるだろう。しかし、この三女も幼いころから教団内で信者へのリンチ、暴行、あらゆるいじめをしたりわがまま放題をしてきた人物で教団運営に裏から関わってきた嘘つき。
    • イイネ!99
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