PHV・EV時代の到来か?「排出ガスゼロ」を担う次世代エコカーとは

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2015年03月23日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

マスキー法。排気ガスを垂れ流していた1960年代、排気ガスに苦しむアメリカで排気ガス規制法案として立法されたもので、当時の技術では達成不可能とまで言われたほど厳しいものであった。

日本でもそれをなぞる形で排出ガス規制が定まり、現在の自動車の排出ガスは飛躍的にクリーンとなった。しかし、将来的に排出ガスをゼロにする動きが加速している。

“カープールレーン”からハイブリッド車を締め出し

カープールレーンとは、アメリカで渋滞緩和のために設けられた車線で、2名以上乗車か、エコカーなら1名乗車でも走行できる渋滞知らずの専用レーンのことをさす。

ハイブリッドの旗手としてカープールレーンを堂々と走れた2010年型プリウスも、2011年から除外されている。今後、もっとエコでクリーンなプラグインハイブリッド(PHV)や電気自動車(EV)を偏重していく、というカルフォルニア州の姿勢の表れでもある。もはや、燃費が向上するのは当たり前、いかに排出ガスをゼロに近づけるかがキーなのだ。

EVメーカー・テスラの飛躍

こういった社会情勢を受けて立ち上がった、自動車ベンチャー企業テスラが勢いづいている。セダン型のモデルSは、最長航続距離は約500kmとガソリン車に遜色なく、今後整備される急速充電スポット『スーパーチャージャーネットワーク』でアメリカ大陸を横断することも可能だ。

今後もSUV型などラインナップを増やす予定で、電池を供給するパナソニックとの提携、大規模工場の立ち上げなど投資を惜しまない。

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PHVとレンジエクステンダー

日本で盛んとなりそうなのは、家庭で充電可能なプラグインハイブリッド(PHV)だ。ハイブリッド車のバッテリーを大容量化し、予め家庭でフル充電しておくことで、ある程度の距離をEVモードで走行が可能。その間はエンジンを起動しないので排出ガスゼロとなる仕組み。

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トヨタはプリウスをベースとしてPHV化したプリウスPHV、三菱ではアウトランダーPHEVを販売。近場の買いものや通勤といった使用用途ではガソリンを消費しないのも特徴だ。

BMW i3はEVであるが、レンジエクステンダーと呼ばれるエンジン発電機を装備可能で、200kmの航続距離を延長することができる。PHVとレンジエクステンダーの違いは、PHVがエンジンを駆動力にも使うのに対し、レンジエクステンダーは発電専用となりタイヤを駆動することがない点だ。

いずれにせよ、重要なのは充電した電気でどれだけ走れるか、いかに排出ガスをゼロにするかである。

PHV・EVが次世代の本命?

排出ガスゼロといえば、トヨタMIRAIにある燃料電池自動車(FCV)も見逃せない。ただ、これはつい先日発売されたばかりで、燃料となる水素を充填できる水素ステーションの整備もまだこれからである。発売するメーカーとしてもすぐにFCVが普及するとは思っておらず、5年、10年先の時代を見据えてのことだという。

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そうなると、家庭でも充電可能で、充電スポットの整備が進んでいるEVやPHVが当面は優勢になるだろう。航続距離の短さなど短所ばかりクローズアップされがちなEVだが、アップルが満を持してEVに参入するプロジェクトを進めており、EVにイノベーションが起きる可能性は高い。

今すぐにPHV・EVに飛びつく必要はないが、次にクルマを買い換えるときには、EV・PHVを候補にすることをもはや当然として、今から注目していたい。

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